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中古品売り場に向かうと、そこには各種武器が並んでいた。
ざっと見た感じ、綺麗な品は見やすいように飾ってあり、それ以外は木箱や樽に雑に入れられ均一の値段で売られているようだ。
飾ってある品は簡単に鑑定出来るのでしていったが、普通の武器しか無さそうである。
よく見ると見た目は良いけど状態が悪い物もあり、問題がありそうな品もあるので目利き注意と改めて思う。
次に剣類が入っている樽を調べてみた。
鑑定を使っているのをばれないように調べる予定だが、孤児院のこんな子供が武器を見てる方がおかしいと思うのは俺だけかな?
たくさんある剣を鑑定しながらざっくり見ていると、掘り出し物とおぼしき品を見つけた。
最初に見つけたのは『切れ味増加』の付与がある片刃の剣だ。
こんな付与があるなら高く売れそうだが、何故かここにあった。
剣を鞘から抜くとその謎はすぐに解けた。
剣が半ばからポッキリ折れて刃が半分無かったからだ。
俺は武器屋の店員に聞いてみた。
「すいませ~ん!!これも売り物なんですか?」
「はい!あぁ、そこの商品ですか。そちらは冒険者から買い換えの時に手に入れた物の中でいまいちな性能の物なんです。ですので、売れれば幸運で、売れなければ鉄屑行きな商品です。その為返品苦情不可でその値段なんですよ。」
「そうなんですか…。」
「それでも駆け出し冒険者がたまに買うので必要な商品でもあるんですけどね。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「ごゆっくりどうぞ。」
なるほど。ここにあるのはほんとにガラクタ扱いの商品なのか。
『切れ味増加』があるにも関わらずここにあるのは刃が折れていたから鑑定すらしなかったのだろう。
普通の冒険者なら使えないが、俺なら解体に使えるのでこれは買いだろう。
おじいさんに聞いてみないとわからないが、もしかしたらナイフに加工出来るかもしれないしね。
次に見つけたのは『筋力低下』『体力低下』『速度低下』のトリプルバッドステータスな呪われたナイフだった。
こういう呪われたアイテムはどうすれば良いんだろう?とりあえずおじいさんに聞きに行った。
「(おじいさん、呪われたアイテムって使えますか?)」
「なんじゃ?そんな小声で。」
「(いや、掘り出し物と言うか、呪われたナイフを見つけたんですけど、価値がいまいちわからなくて。もし価値があるなら誰かに買われるといけないですからね。)」
「そういうことか、ふむ、呪われたアイテムは光魔法か神聖魔法で解呪出来たはずじゃ。お主使えるか?」
「えっと、光魔法ならスキルは持ってます。」
「まぁ、神聖魔法は聖職者しか使えんはずじゃからな。なら光魔法で解呪すれば良い。解呪すれば良いアイテムに変化するはずじゃ。」
「凄いですね。」
「それに、呪いが強ければ強いほど解呪したときのアイテムは強力になるはずじゃ。」
「なら買ってみた方が良いですね。解呪出来たら儲けものってことで。」
「そうじゃな、何事も経験じゃ。」
そうして呪われたナイフも購入することに決めた。




