62
その後の俺達は竜の森での採取と小屋での作業を交互に繰り返す日々を続けた。
採取は今までと変わらないが小屋での作業も特には変わらなかった。
俺は木の乾燥、クルス君はおじいさんと修業と狩り、妹ちゃん達は裁縫を続けていた。
木は十分確保していたがおじいさんがたくさん切って持ってきたので次に進めなかったのだ。
その為アイテムボックスの中にはたくさんの木が保管されていた。
クルス君は修業をしながら様々なモンスターと戦っていた。
さすがにたくさんのモンスターと戦うにはショートソードがダメになってしまうので、俺が作った木剣も利用してもらっている。
ただ、普通の木剣では脆いのでなんとかしたいところだ。
妹ちゃん達は裁縫をしていたが、生地を買ってから時間がたっているので既に生地が残っておらず、今は皮を加工し、丈夫な服、狩り用の革鎧を作っていた。
そうこうしていると、孤児院に泊まってから一ヶ月が経過して、また孤児院に泊まる日がやってきた。
前回は俺が一人で迎えに行ったが、今回はいつものメンバーで迎えに来た。
前回はおじいさんの家に行ったが、今回の待ち合わせは小屋予定地にしてあった。
そこで、狼車に乗せる素材や討伐証明部位を仕分けした。
素材は前回と同じ毛皮系が多めだ。
討伐証明部位はゴブリンが多い。他にはゴブリンの上位種に昆虫系が多かった。多分ほとんどクルス君の修業の成果だろう。
荷物を準備したらさっそく町へと出発した。
道中は前回同様休憩を多くとりゆっくり進んだ。サクヤちゃんは妹ちゃんと、おじいさんはクルス君と、おばあさんはイリヤちゃんと一緒に歩いていた。いや、おじいさんとクルス君はあっちこっち走りながら進んでいた。
俺は従魔達をかまいながらだ。
昼を過ぎた頃には町に到着した。
門番の兵士には人数が多いことに驚かれたが、他は特に何かを言われることなく無事に町に入ることが出来た。
裏道を進み孤児院に到着すると子供達が出迎えてくれた。誰かが呼んでくれたのか、院長先生もすぐに家から出てきておじいさん達を連れて戻っていった。
子供達は従魔を連れていったので、俺とクルス君で狼車を片付けに向かった。
クイーン達を自由にしたあと一緒についてきた子達に餌をあげるようにお願いしてから、俺とクルス君も家の中に入っていった。
部屋に着くと既に皆は昼食を食べ始めていた。
「小僧、先にいただいておるぞ。」
「あ、はい。遅れてすいません」
「いや、儂が早く食べたかったからじゃから気にするな。しかし、相変わらずこのスープは美味いのう~」
「シャル特製のスープですからね。」
「ありがとうございます♪えへへ、少し前に料理のスキルを覚えたのでそれもあるかもしれないです。」
「ほぉ、料理スキルか。それならこの美味さもうなずけるのぅ」
「料理スキルを覚えられたのはシュウ君やおじいさんのおかげで食材が増えたおかげですよ!!」
「お主の努力の成果でもあると思うが小僧も役にたっとるようじゃな。」
何故か話が俺に向いてきて少し恥ずかしい…。
食後の予定について話し合い、前回と同じようにすることが決まり、冒険者ギルドへ出かける事になった。
今回はクルス君も一緒に行くことになり、普段ギルドに行かないクルス君はワクワクしていた。
さっそく俺達は狼車を準備し冒険者ギルドに出発した。




