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お昼を食べ終えた俺達はそれぞれの活動に戻った。
俺は木の乾燥、おじいさんとクルス君はクイーン達を連れて狩りに行くみたいだ。
おばあさん達は裁縫をするらしい。
俺はとりあえずさっきと同じ要領で乾燥に挑戦してみた。
30分程するとさっきと同じ位に乾燥した木が出来上がった。
次に二本同時に挑戦してみた。
空間が大きくなったので少し火力を強めたところ、40分程で乾燥が終わった。
次は三本同時にしようと思ったが、さすがにこれ以上規模を大きくすると魔力がきつかったので、二本で乾燥を続けた。
二時間ちょいかかったが、用意してあった木の乾燥を終える事が出来た。
その頃にはおじいさん達も帰ってきていて、獲物の解体をしていた。
解体を見ていて川の方に来たのに水を引いてない事に気付き、おじいさんに声をかけてから、クイーン達を護衛に川に水路を作りに向かった。
川から少し離れた所から小屋建設予定地まで溝を掘っていく。傾斜がどうなってるか分からないが、とりあえず掘り続ける。
小屋にある程度近づいたら少し大きめに穴を掘った。水を貯めておく場所だ。水路もそうだが、土は固めておいた。
後で氾濫防止に土手も作った方が良いかな?
穴を掘った俺は川の下流に向かってまた溝を掘り始めた。
川に到着するとゆっくりと川と溝、水路を繋げた。
多少は水が流れてきたが逆流するほどではなさそうだ。
俺は水路を戻りながら川とは反対側に土手を作りながら歩いていった。
溜め池を越え、水路の上流にやって来た俺達は水路と川を繋げるように土を魔法で掘った。
初めはゆっくりだったが、少しすると勢いよく水が流れていった。
どうやら傾斜は問題無さそうだ。
俺達は川を遡りながら川沿いに土手を作り、とりあえずの距離まで作ったら小屋の方に帰っていった。
本当はもう少し長めに作りたかったけど、時間が無いから諦めよう。
小屋予定地についたら既にクルス君達の解体作業は終わっていて、俺が仕舞う用に置いてあった。その二人は俺が作った木刀擬きで修業していた。
「おじいさ~ん、近くまで水を引いてみました。」
「おぉ、ご苦労、では後で儂が問題ないか確認しておこう。」
「お願いします。」
「うむ。そういえばそろそろ帰る時間ではないか?」
「そういえばそうですね。クルス君、俺は木をしまっておくからイリヤちゃん達呼んできて!!」
「任せろ!!」
クルス君はそういうと走っておばあさん達の所へ呼びに行った。その後ろにはクイーン達がついていっていた。
「おじいさん、今日もありがとうございました。」
「気にするな。儂らも楽しんでおるからのう。」
「ありがとうございます。えっと、次は木の加工をしますか?」
「いや、せっかく乾燥の魔法が上手くいったんじゃ、もう少し練習も兼ねて木を用意しておこう。」
「あ、はい。じゃあ、よろしくお願いします。」
おじいさんと話しているとクルス君が皆を連れてやって来た。
「皆呼んできたぞ!!」
「クルス君ありがとう。」
「おにいちゃん、もうかえるの?」
「うん、遅くなると暗くなっちゃうからね。また来ようね。」
「あい!!」
そうして、皆で荷車に肉を積みクイーン達を繋いで狼車にした。
「それじゃあ、また来ます!!」
「さくやちゃんばいばい~」
「また来てね~」
サクヤちゃんに手を振られながら俺達は孤児院に帰ったのだった。




