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枝を切り落とした木を1本1本離して並べ、乾燥させる方法を考える。
まずは、前回考えた水魔法から試してみよう。
だめだ、水分ではあっても液体じゃないから上手く操作出来ない…。
じゃあ、次は火魔法で試してみよう。
これもダメだ。近くで火を起こして水分を蒸発させようとしたが、焦げてきてしまった。……このまま続ければ炭になるかな?
いや、なんか燃えてきちゃった…。
慌てて火を消し考える。そういえば炭って木をぎゅうぎゅうに詰めて窯で燃やしてたのを昔TVで見た気が…。
なら、地魔法で土を召喚し、木を覆い、隙間をさっき切り落とした枝で埋めていく。木のてっぺんの方に煙突を作って、根元の方から火魔法で燃やす!!
おぉ~、煙突から白い煙が出てきた。生木燃やすとこんな感じだったな~。
少したつと白い煙が出なくなった。これ以上燃やすと燃えつきそうなので火魔法を止めた。
しかし、燃え移った火があるので、窯もどきを地魔法の土でふさいだ。これで時間がたてば火は消えるだろう。
さて、炭作りはこのまま放置で良いとして、木の乾燥を考えなくては。
……火がダメなら熱かな?サウナ…いや、砂漠の感じで水分を蒸発させるか?
俺は風魔法で木を包み込み、離れたところで火を起こして熱を木に送り込んだ。ついでに空気中の水分を追い出した。木と違いこっちは水分子だから上手く操れた。
というか、風魔法に火魔法に水魔法と三種類の魔法の同時操作とか難しすぎる!!
30分程続け、魔法を解除し木を確認してみる。
なんとなく上手くいった気がする。
「おじいさ~ん」
俺はおじいさんに確認してもらうために呼んでみた。
「上手く出来たのかの?」
「出来たと思うんですけど…」
「どれどれ」
そう言っておじいさんは乾燥させた木を確認していく。
「良いんじゃないか?これくらいなら使えるじゃろ」
「すげえじゃねぇか、シュウ。ってか、あっちの山は何だ?」
おじいさんと修業…というか、おじいさんに遊ばれてたクルス君が炭窯もどきを指差した。
「あ~、乾燥させようと思って火で炙ってたら焦げちゃったから炭作ってみたの。出来てるかはわかんないけど。」
「んじゃあ見てみようぜ!!」
クルス君は走り出し土山を手で掘り出した。
「あちぃ!!」
掘り出したと思ったらまだ熱が残ってたのか、クルス君が叫んだ。
「いや、魔法で土をどかすよ。ってか、手、大丈夫?」
「お、おう、火傷はしてねぇみたいだ。」
手をフーフーしているクルス君の横に行き地魔法で土をどかしていく。
中からは真っ黒い炭がたくさん出てきた。
「おっ、上手くいったんじゃないか!?」
「みたいだね、ちょっと待ってて」
そう言って俺はエアーカッターで木を幾つか切ってみた。
「うん、中まで炭になってるね。多分成功だ!!」
俺は大まかに炭を切り分け、アイテムボックスにしまっていく。
「じゃあ、俺は他の木も乾燥させるね。」
「俺は師匠と修業の続きだ!!」
「その前に飯じゃな」
そう言われると確かにお腹が空いてきていた。
おばあさん達の方を見てみると、どうやらお昼を作ってくれていたらしい。
俺は今まで練習で作っていたテーブルやイスをアイテムボックスから出して、お昼の準備を手伝った。
町で香辛料を買ったからか前にも増してスープが美味しくなっていた。




