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「冒険者って、こんなに稼げるの!?」


俺は見たこともない大金を前におじいさんに聞いた。


「いや、普通はこんなに稼げないぜ。」


質問の答えは買取り所のおじさんから聞かされた。


「じいさん、ギルド証を見せてくれるか?」


「うむ」


おじいさんはギルド証を買取り所のおじさんに渡した。


「あぁ、やっぱり。このじいさんは3級の冒険者だ。これは一流の冒険者に分類される。じいさんが等級相当のモンスターを倒したらこの10倍は稼げるぞ!?」


「そんなに!?」


「だが、普通はパーティーを組んでいるから頭割りだと数倍程度だろうけどな。今回は素材をまとめて持ってきたから一人でもこの金額になったんだけどな。」


「そっか、普通こんなに持ってこないか…。」


「だな。ほれ、じいさん、ギルド証返すぜ。ってか最近更新してねぇんじゃないか?」


「わかるのか?何年も町には行かなかったからのう。」


「あぁ、引退して田舎暮らししてたのか。だったらついでに受付で更新してきな。記録が10年以上前から止まってるぜ。」


「そうか、ならば更新していくかのう。」


「そうしとけ、じいさんのランクならもう必要無いが低ランクだったら税金未納で失効してるところだぞ!!」


「そんなことあるの!?」


「あぁ、あるぞ。詳しい話はギルドに入るときに聞けるが、低ランクの依頼を受けると依頼料から税金が引かれる。だからギルド証を持ってると入町税なんかを払わなくても良いんだ。ランクが上がるとそいつしか受けられない依頼とかがあるから税免除なんかの特典があんだよ。」


「へぇ~」


「逆に低ランクの冒険者が依頼を受けなかったら税を払ってないことになるから下手するとギルド証の失効になるわけだ。」


「なるほど。じゃあ商業ギルドも同じ感じかな?」


「いや、あっちは許可証みたいなもんだな。商人は忙しいからある程度の金額を税として払っておくんだ。そうすると町に入るのに面倒な審査が必要無くなると。高ランクほど大きな町では優遇されるぞ。」


「へぇ~。じゃあもしかしたらおばあさんのギルド証失効してるんじゃない?」


「ん?おぉ、そうかもしれんのう。明日にでもばあさん連れて行ってみるか。」


「そうした方が良いかもね。それじゃあ俺達も受付に行かないとね。」


「そうじゃな、係の者、世話になった。」


「おう、また何かあったらよろしくな!!」


そうして俺達は買取り所を離れ、また受付に戻っていった。




「あら?素材の買取りはもう終わったのですか?」


受付に戻るとさっきのお姉さんから声をかけられた。


「うむ、問題なく終わったぞ。それで、係の者にギルド証の更新をした方が良いと言われてのう」


「更新ですか?畏まりました。では、ギルド証をお預かりします。」


お姉さんはおじいさんからギルド証を受けとると何かの魔道具にギルド証をかざした。


作業すること数分


「更新終わりました。特に問題はございません。と言いますか、これだけ優秀な冒険者の方なら何か依頼を受けていただきたいくらいです。」


「いや、儂はもう引退した身じゃからのう。受けるとしても竜の森のモンスター退治位じゃな。」


「引退したのに竜の森のモンスター退治ですか?」


「あぁ、今は竜の森の近くで狩人をしておるからのう。そのついでじゃ。」


「あぁ、そういうことでしたか。でしたら、討伐したモンスターの証明部位をお持ちいただけたら、処理出来るものはしますよ?」


「お姉さん、そんなこと出来るの?」


「えぇ、特に期限の無いものはいつお持ちくださっても大丈夫です。依頼によっては討伐ではなく素材募集もあるのでこちらで依頼を確認してから買取り所に持ち込むのが宜しいかと。」


「なるほどのう。では、次からはそうするか。さて、ずいぶん遅くなってしまったのう、そろそろ行くか小僧。」


「うん。お姉さんありがとう。」


「世話になった。」


「はい、またのお越しをお待ちしています。」


そうして俺達は素材の買取りとギルド証の更新を終え、冒険者ギルドを後にした。

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