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遅い昼食を食べ終えた俺達はこれからの予定を話し合った。

まずは持ってきたモンスターの素材を売ってくることにした。

これには俺とおじいさん、クイーン達狼車組が行くことになった。妹ちゃんも行きたがったが、妹ちゃんにはサクヤちゃんの相手をお願いした。妹ちゃんも孤児院では年上ばかりで同い年位のサクヤちゃんには興味があるようだ。

サクヤちゃんとおばあさんは孤児院にお留守番だ。

おばあさんは院長先生達と、サクヤちゃんは子供達と行動するようだ。今日は孤児院に泊まる予定なので、サクヤちゃんには早めに子供達と仲良くなってもらいたい。



予定が決まったのでさっそく俺とおじいさんは荷車のある場所に向かった。向かう途中、クイーンを呼ぶと狼達が集まってきて、一緒に向かった。

荷車に着き、狼車にするとさっそく冒険者ギルドへと出発した。


冒険者ギルドへの道のりは人も従魔も減ったのに注目されていた。注目はもちろん狼車だ。従魔師自体少ないのに従えた従魔に荷車を運ばせるなんて発想は普通無いからね。


注目を集めながらも冒険者ギルドに到着した俺達は、冒険者ギルド裏にある厩舎に向かった。

ギルドにはギルド所属の馬車や馬が管理されている。また、冒険者個人でも馬車や馬を持っている人がいるらしい。町から離れた所での依頼や、他の町への護衛依頼等があるからだ。その為冒険者ギルドの近くには厩舎が備わっているのだ。

俺達は厩舎近くにいたギルド職員に確認し、狼車を置かせてもらった。


「クイーン、悪いんだけどここで留守番と言うか見張りしててくれるか?」


「ウォン!!」


「うむ、しっかり頼むぞ!!」


荷車の見張りをクイーン達に頼み、俺とおじいさんは冒険者ギルドの中に入っていった。


ギルドの中はそんなに混んでいなかった。まだ時間が昼過ぎ、夕方前と言うことで依頼を受けている冒険者達が帰っていないのだろう。

人が少ないのは丁度良いのでさっそく受付に向かった。


「こんにちは、本日はどのようなご用件で?……って、あら?ボクは確か孤児院の子だったかしら?」


受付に近付くとさっそく受付嬢のお姉さんが話しかけてきた。


「あっ、はい。そうです。」


「今日はどうしたのかな?」


「えっと、今日は俺じゃなくておじいさんが用があって来ました。」


「あら、そうだったの?ごめんなさいね。えっと、大変失礼いたしました。本日はどのようなご用件で?」


お姉さんは俺に謝るとおじいさんに対応し始めた。


「うむ、モンスターの素材の買取りを頼みたいのだが。」


「買取りですね?畏まりました。それで、素材はどちらに?」


「裏の荷車に置いてあるんじゃが、ここに持ってくればよいのか?」


「荷車ですか?えっと、どれくらいの量が?」


「ふむ、毛皮を中心にそれなりの量があるかのう…」


「では、裏にある買取り所の方にお持ちいただけますか?」


「わかった。ほれ、行くぞ、小僧。」


「うん!ありがとうお姉さん。」


俺はお姉さんにお礼を言いおじいさんとギルド裏に向かった。

厩舎に着き、ギルドを見てみるとすぐそばに入口があり、買取り所があった。おそらく馬車から運びやすいように近くにあるのだろ。

俺とおじいさんは荷車から毛皮や角などの素材を買取り所に運んだ。


「お、いらっしゃい。持ってきたのは毛皮か?」


「うむ、ボア系中心の毛皮じゃ。よろしく頼む。」


「了解。お、ファングボアだけじゃなく、上位のボアもあるのか。ビッグホーンディアーやマーダーグリズリーまで!?じいさん、あんたが狩ったのか?」


「うむ、昔とった杵柄じゃよ。」


「はぁ~、じいさん腕利きみたいだな。状態も良いし、これなら問題なく買い取らせてもらうよ。」


そう言って、買取り所のおじさんは素材の確認を始めた。


「状態も良かったしこんなもんでどうだ?」


「うむ、問題ない。」


「よし、それじゃあこれが代金だ。」


そうしておじいさんは貧乏孤児院の俺が見たこともない大金を手に入れていた。

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