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町の中に入ると俺達は注目の的だった。

それはそうだろう、俺達の周りには従魔がたくさんいるのだから。一応俺と言う子供がいて赤いスカーフをしているので、孤児院の従魔と言うのは分かっているみたいだが、冒険者っぽい何人かはこちらをずっと見ている。

何かあるといけないから、早めに裏道を通って孤児院に行こう。

っと、冒険者で思い出した。


「言い忘れてましたが、最近この町にガラの悪い冒険者が増えてきたらしいので、気をつけてください。サクヤちゃんも一人で行動しないようにしてね」


「ふむ、そんな冒険者がおるのか?」


「門番の人が言ってたんですよ。町の人達も絡まれた事が何度もあるらしいです」


「そうか。サクヤも一人にならないように気を付けるんじゃぞ?」


「う、うん……」


「ばあさんはまぁ……大丈夫じゃな」


「あらあら、おじいさん、それはどういう意味ですかね?」


「そのままの意味じゃ。ばあさんに絡む人間など居らんだろうし、絡まれてもばあさんの方が強いからな!!」


「あらあら、言ってくれますね?」


「はいはい、二人ともケンカしないの!サクヤちゃんが怖がるよ」


「あらあら、ごめんなさいね」


「う、うむ、すまんかった」


「まったく、似た者夫婦なんだから。ほら、そろそろ着きますよ!!」


そう言って俺達の前に孤児院が見えてきた。





孤児院に着くと俺達に気づいた子供達が集まってきた。

集まってきた子供達は新しく増えた従魔に、そして、初めてみるサクヤちゃん一行に興味津々だ。

俺達の騒ぎを聞いたのか家から院長先生が来るのが見えた。

皆に院長先生が来るまで待ってもらい、挨拶をした。


「院長先生、この人達が狩人のおじいさん……」


そう言えばおじいさんとおばあさんの名前知らなかった…。……まぁ、良いか。


「……とおばあさんとサクヤちゃんです。それで、こっちがこの孤児院の院長先生です」


一応の紹介を俺がした。


「はじめまして、この孤児院の院長をしているものです。いつもシュウの面倒を見ていただいたり、たくさんのお肉をいただいてしまってありがとうございます」


そう言って院長先生は頭を下げた。周りにいた子供達も口々に「ありがとう」とお辞儀をしていた。


「ふむ、気にせんでもいい、こっちもサクヤの相手をしてもらったり従魔を借りたりしてるしのう。それに肉も余っておったからのう」


「坊やのおかげでひさしぶりに賑やかな生活が出来たわ」


「そうおっしゃっていただけて幸いです。長く歩いてお疲れでしょう。綺麗な所ではありませんが中でお休みください。お昼はお食べになりましたか?まだでしたら、簡単な物ですがご用意致します」


「では、御言葉に甘えるとしよう!!小僧はどうするんじゃ?」


「荷車からクイーン達を自由にしたら俺も食べに行くよ!!」


「では、シュウ先に行ってますね。シャルはお昼の支度をお願いね。それではご案内しますね。」


そうしておじいさん達は院長先生に連れられて孤児院の中に入っていった。


俺はクイーン達を荷車から解放し、孤児院の子供達に面倒を頼んだ。荷車も建物の陰に隠し、布をかけておいた。


片付けを終えた俺は院長先生を追って孤児院の中に入った。

そして、俺を含めた皆で簡単な昼食を食べたのだった。


俺の隣には孤児院に着いたときからついてきた妹ちゃんが何故かいて、反対側のサクヤちゃんに話しかけているのは気にしてはいけないんだろうな…。



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