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「うん?孤児院に行くのか?」


「はい、院長先生が直接お礼を言いたいって言ってるんだけど、院長先生が竜の森に来るのは大変だからおじいさんに来て欲しいって。まぁ、お礼を言う相手に来てもらうのは本末転倒な気もするんだけどね…。」


「それはしかたあるまい。人間は弱い生き物じゃからな。それに、院長先生は高齢なのだろう?なら尚更竜の森は危険じゃろ。もちろん子供が来るのも誉められたものではないがのう…。」


「そ、それはまぁ非常事態だったから…。それで、孤児院には来れそうですか?」


「そうじゃのう、なら丁度良いサクヤも連れていくか!!」


「サクヤちゃんも!?」


「うむ、一度は人間の里に行かせようと思っておったのじゃが、知り合いがおった方がサクヤも安心するじゃろう?」


確かに初めて行く所に知り合いがいるのは安心だろう。


「ならすぐに孤児院に来ます?」


「いや、ついでじゃから町で買い物も済ませようと思うから色々準備せにゃならん。」


「準備?」


「サクヤは家から出るのは初めてじゃから出掛ける準備が必要じゃし、狩人として行くんじゃから何か獲物を持っていった方が良いじゃろ?」


「そういえば、狩人でしたね…。」


「忘れるな!!それと、丁度良いから荷車を作ってから行こうかの。」


「荷車っていうと馬車ならぬ狼車?」


「そろそろ木も乾いてきたじゃろうからな、獲物を運ぶのに使うべきじゃろ。」


「そうですね、それに狩人なら荷車位持ってそうですしね。」


「ならば、荷車が出来上がったら孤児院に行くとしよう!!」


「じゃあ、院長先生には少ししてから来るって伝えておきます。」



そうして俺とおじいさんは孤児院に行くために荷車を作り始めた。

おじいさんが言っていた通り、伐採した木は乾いていたのでそれを木材に変えていった。

本来であればノコギリやカンナ等の工具を使って木材にするのだが、さすがファンタジー、おじいさんは魔法で加工していった。

使う魔法自体は初級の魔法なので、俺も魔法の練習がてら加工していった。

最初の一本はさすがに上手くいかなかったが、簡単な処理だけなのですぐに慣れた。

最初の一本は板状にしてアイテムボックスにしまっておいた。孤児院の修理に使いたかったからだ。最近すきま風が増えてきた気がするので丁度よかった。



本来は車輪を作るのは大変だろうけど、今回の荷車はそんなに大きくないので、太い木を輪切りにし、そのままの形で車輪を作った。

将来的に馬車を作るときは革を巻いて車輪のゴム代わりにしたり、バネを作ってサスペンション代わりにしてみたい。


今回は小型だったので、おじいさんがそれほど時間をかけずに荷車を作ってしまった。

狼と荷車を繋ぐ器具も以前から言ってあったのでおばあさんが作ってくれていた。

荷車は狼が引いても人間が引いても良いように少し改造してある。

今度は自分でも作ってみたいものである。


「それじゃあ、おじいさんは明日狩りをして明後日俺と一緒に皆で孤児院に行く。そして、孤児院に泊まるで良いんですよね?」


「うむ、それで良いじゃろ。ただ、サクヤが嫌がったら帰るかもしれんがのう。」


「それはしょうがないですよ。初めての人里なんですから。」


「まぁ、実際に行ってみないと何とも言えんのう…。さて、明日は狩りを頑張るかのう!!」


「いやいや、張り切りすぎて変なのを狩ってこないでくださいよ!?」


「わかっておる。ほれ、暗くなる前にとっとと帰らんか!!」


ほんとに大丈夫か?


「それじゃあ帰ります。また明後日。」


「うむ、気をつけてな。」


そうして俺は孤児院に帰り、おじいさん達を迎える準備をした。

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