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俺達はぴーちゃんの指示にしたがって森を進みファングボアが見える位置まで移動した。
昨日倒したファングボアよりは少し小柄だった。監視をぴーちゃんに頼み俺達はファングボアから離れていった。
作戦としては昨日と同じで、三人には地面で固定してから攻撃してもらう予定だ。
危険だから妹ちゃんには隠れていてほしいが、攻撃しないと経験値?が入らずレベルが上がらないかもしれないから出来るだけ安全に攻撃してもらいたい。
ちなみに昨日ぴーちゃんが何もしてないのにレベルがあがったのは近くにいたからか、従魔として魔力的な繋がりがあるからだと思う。なので、妹ちゃんがレベルアップするか怪しかったのだ。
妹ちゃんに俺のナイフを渡し、穴を掘って準備完了。壊れた投網は今日の休憩中に新しく作ってある。
準備も整ったので従魔達に合図を送った。
遠くから足音と鳴き声が聞こえてくる。遠くからミュウとファングボアの姿が見えた。昨日は逃げるのに必死そうだったのに、今日のミュウは余裕をもって逃げている。やっぱりレベルの差はでかいな。
ミュウが落とし穴を飛び越えファングボアが落ちた。昨日より深めに掘ったため出ようとしたファングボアの頭が穴から出るくらいだ。そこに投網が蓋をし網を固定した。
続けざま魔力を流しファングボアを落とし穴に埋めた。
昨日より穴は深かったがファングボアが小柄だったため、なんとか体を埋めることが出来た。
ファングボアは地面から頭だけを出した状態でいる。昨日と違いファングボアはほとんど動けず逃げ出される心配はなさそうだ。
油断は出来ないが昨日より安全に攻撃出来そうだ。
皆でファングボアを警戒しながら近付いていく。
「トドメは俺がするから皆、ファングボアに一撃入れてって」
「じゃあ、俺からいくぜ!!」
そう言うとクルス君はファングボアに走りショートソードを降り下ろした!!
しかし、やはりレベルが低いのとショートソードも安物のナマクラなので切ることは出来なかった。
「くっそ~!!」
「クルス君突きは!?」
「やってみる!!」
クルス君は少し下がり勢いをつけてショートソードを突き刺した。今度は剣先が僅かに刺さりファングボアから血が出てきた。
「固いな!!これ以上は無理っぽいな…」
クルス君でこれなら妹ちゃんとイリヤちゃんにはキツいかも
「じゃあ、二人は目を狙ったら?」
「そうね、目なら傷がつくわね。行くわよ!!」
そう言うとイリヤちゃんは矢を構えず直接持ってファングボアに突撃した。妹ちゃんはイリヤちゃんと反対の目を狙って走り出した。
やはり目は弱点なのだろう、簡単に貫くことが出来た。
目を傷つけた後二人は下がり代わりにクイーンとミュウがファングボアに襲いかかった。
クイーンは昨日通りだったが、ミュウが凄かった。レベルが上がり、刺突の効果だろうか首から角で串刺しにしていた。
これにはやったミュウも驚いていた。
そして、角を抜くのに苦戦していた。
俺は魔力を溜め
「二人とも離れて」
と叫び、クイーンとミュウが離れたところでとどめの丸いエアカッターでファングボアをしとめた。




