表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
312/314

312

三階で活動して二日ほど経つと慣れというか飽きてきてしまった。主に妹ちゃん、クルスくん、おじいさんの三人が。実際俺達のレベルだと次に進んでも問題ないとリーダーにも言われていたので、卒業試験というわけではないが、俺達が中心となって五階まで行く事になった。


そして、モンスターを倒し、罠を回避し、安全地帯で休憩をしつつ夕方には五階最後の部屋、ボスの間までやってきた。ボスというのは階層ボスと言われる存在でそこまでの階層に出現したモンスターが複数で出たり、進化したモンスターが出たりするらしい。このボスを倒すと転移装置が使える広間に行けて、六階にも行けるようになる。


ここのボスとも十分に戦えると『全力全開』からお墨付きを貰えていたので早速挑戦する事に。


出てきた相手はキラーラビット、ウッドゴーレム、ビッグバットが三体ずつ。こちらの人数が多いから強さではなく数が多いボスが出たんだろう。しかし、ボスの間はそれなりに広く、他の冒険者がやってこないようにドアも閉められていたので従魔達も戦う事が出来、あっという間にボスを討伐してしまった。


「次の階も少し見ていく?」


階層ボス、というかモンスターの素材を回収し、階段を降りて五階と六階の間にある転移装置のある部屋に着いた時にリーダーからそんな事を言われた。そんなに疲れていないし、時間もまだあったので答えは当然「はい」だ。

下の階を見に行くので転移装置の部屋を出て階段を降りていった。そして、たどり着いた場所は洞窟風の通路だった。


「ここは坑道になってて、本来は壊れないはずのダンジョンの壁が掘れるんだ。採掘出来るのはほとんどが鉄なんだけどたまに魔鉄も取れるんで新人冒険者がお金稼ぎと武器防具の新調の為に頑張ってるところだね」


なるほど、どおりで遠くからカンカン岩を掘る音が鳴り響いてるわけだ。一階から五階でダンジョンに慣れて、次の階層では武器防具の素材が取れる。ホントにダンジョンって何なんだろう?

俺達も『アイテムボックス』には道具が入っているが、その事は内緒なので採掘するとこもなく再び転移装置の部屋に戻りダンジョンを脱出する事にした。

転移装置の部屋には何人か人がいるが魔法陣を使おうとはしていなかった。


「彼らはここで休んでるんだね、ここも安全地帯だからね」


なるほど、確かに移動の最中に襲われたら大変だから安全地帯なのは納得できた。水は無いけれど地上にはすぐ帰れるから特に問題はないんだろう。


特に並んでる人もいないので早速使わせて貰おう。魔法陣はそれなりの大きさをしているが、今回は使い方を皆が見られるように半分ずつ分かれて使うことになった。好奇心旺盛な妹ちゃん、クルスくん、おじいさんの三人は先に行きたいと言ったのだが、サクヤちゃんが後で良いと言った為に泣く泣くおじいさんは後半出発となった。


前半組が出発し、俺達後半組となった。 魔核(コア)を使う役目はおじいさんに。だって、やりたそうにこっちを見てるんだもん、やりづらい。だが、作業は呆気なく終了。魔法陣の中央にある窪みに今までに取った魔核(コア)を一つ入れると魔法陣が光だし、少しの浮遊感を感じた次の瞬間、どこかの部屋の角にいた。おそらくここが最初に見た部屋なんだろう。見覚えのある列もあるしね。

前半組も無事に転移出来たようで合流しダンジョンの外へ。少し寄り道したので日は傾いているけど、数日ぶりの日の光は眩しいなぁ。


ダンジョンの城壁を出て壁に挟まれた通路を通り、また門を潜るとダンジョン都市に到着である。長いようで短かったダンジョン探索もこれで終了である。ポーターの子達に料金を支払いお別れをする。料金は現金でも良いし、ダンジョンで取れた物の現物支給でも良いようなので、支払いに魔核(コア)を渡し、おまけでお肉も付けてあげたらすごく喜んでくれた。


そして、お世話になった『全力全開』の皆さんともここでお別れだ。


「簡単ではあったけどダンジョンの感覚は掴めたと思う。でも、いきなり進まず自分達だけで一階から始めた方がいい。気を付けるんだよ」


「はい、ありがとうございました」

「兄ちゃん達、ありがとな!」

「ありがと!」


俺達はお礼を言うが、さすがにこれだけしてもらって無料というのも後味が悪いので、竜の森産の香辛料、薬草類、毒草類をそれぞれにプレゼントした。三人は喜んでくれたので、気に入ったら新しいお客さんになってくれるだろう。


そうして、ポーター、『全力全開』の皆と別れ、家に帰るのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ