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「よしっ! 早速ダンジョンに行こうぜ!」


門を潜り抜け街に入るとクルスくんが皆に言う。しかし、誰も賛成はしなかった。


「バカね、最初は冒険者ギルドに行かなきゃダメでしょ?その後は商業ギルドに行って泊まるところも探さなきゃ」


一応クルスくん、イリヤちゃんを含む冒険者組は護衛依頼として来ているので、冒険者ギルドに終了の報告をしなければならない。それと宿探しだ。最初は宿を探そうとしたのだが、他の商人と話すうちに家を借りた方が安いのでは? と思うようになった。ダンジョン都市に詳しい商人に聞いてみたが彼らもこの人数なら家を借りた方が良いと言ってくれた。ただ、問題点は借りる家があるかどうかというと事だ。着いたときに見たがこの都市はかなり丈夫な外壁に囲まれている。つまり、フレイの町のように簡単には都市を広く出来ないのだ。なので、土地が限られているので空き家が少ないかあっても家賃が高いのだ。ちなみに売り家は無い。


元々商業ギルドにはポーションを売りに行くのでついでに家の相談もする。借りれそうな家が無ければ宿探しが少し大変そうだ。宿も見つからなければ空いてる土地がないので都市の外での野宿になってしまう。


ダンジョン都市ということで街の入口近くに冒険者ギルドも商業ギルドもあった。おかげで迷うこと無く来れた。クルスくんなんかは屋台での買い食いが出来なくて残念そうだった。確かに小腹が空いてるので俺も少し残念だ。だが、先に泊まるところだ。


商業ギルドのなかはいくつもの受付があり、商談用のテーブル席もあった。ダンジョン都市ということで素材の取引が多いのか王都並の広さがありそうだ。早速空いている受付に向かう。


「商業ギルドへようこそ。今日はどのようなご用件で?」


対応してくれた人に借りれる家が無いか相談する。こちらは商人組が対応しているため、俺は後ろに控えてる。


「そうですねぇ、今どこも空きが無いんですよねぇ」


やっぱり一緒に来た商人達も言っていたが家を借りるのは難しいみたいだ。だが、俺達には作戦があった。


「そうですか……。そうだ、買い取りもお願いしたいんですけど良いですか?」


俺は後ろから持っていたポーション入りの箱を受付に渡した。


「これは……ポーションですか!?」


予想通りポーションに食いついた!

ポーションのおかげで交渉は進み、借りるには少し修理が必要だという家を借りることが出来た。おかげでポーションを定期的に卸す事になりそうだが今後も家が借りられるかわからないのでしょうがないのかな。それに冒険者組はダンジョンに行きたい人も多いからダンジョン都市に拠点を持つのは良いのかもしれない。


「家は借りられたの?」


商業ギルドの駐車場に着くとイリヤちゃんから聞かれたので「借りられた」と答える。商業ギルドの駐車場は広く俺達の馬車以外にもいくつも馬車が並んでいた。馬車には商人組の他はいつものメンバーしかいない。冒険者組が冒険者ギルドにいっているからだ。クルスくんも行きたがっていたがさすがに全員行かれたら護衛がいなくなってしまうのでクルスくん、イリヤちゃん、おじいさんには残ってもらった。ダンジョンに行くための手続きはしないといけないので後日一緒に行こう。


今後の予定を皆と相談していると冒険者組がやって来たので、商業ギルドの人の案内で家に向かう。


「思ったよりも綺麗だな」

「これなら問題ないんじゃないか?」


道中ギルドの人に話を聞いたが家は建物が古く雨漏りやすきま風があること。庭はあるが馬小屋は無い等の話を聞いて皆少し不安になっていたが、昔の孤児院よりは全然綺麗だった。ということで、ここを借りることにした。


「では、正式な契約は明日ギルドでお願いします」


商業ギルドの人に借りることを伝えると明日ギルドで手続きすることになった。建物は今日から使っても良いと言われたがさすがにすぐには泊まれないだろうから庭に泊まって明日から掃除と補修の作業かな。

300話のお祝いありがとうございます!

これからも更新頑張ります。

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