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次の日、俺と従魔達は早速竜の森へ狩りに出掛けた。
五歳児とは言え従魔がいるので一人であっても隠れることはしなかった。まぁ、街道から少し離れた所を進んだが。
時間が惜しいので少し小走りで進んだ。回復魔法?があるので癒しながらの小走りだ。
いつもよりも早く竜の森に着いた俺達は、昨日クイーンを見つけた所とは街道入り口を挟んで反対側に向かった。昨日の所だと、クイーン達を襲った連中がいるかもしれないからね。
街道入り口から徒歩で一時間程の場所につくと、今後の確認をした。
「よし、ここから森の中に入り軽く採取しながら果樹を探す。果樹があったらそこを、無かったらどこか目印になる所を探してそこを基点に狩りを始める。ある程度狩りをしたら次の場所に移動する。わかった?」
「ピュイ」「キュイ」「ウォフ」
「狩りはいつも通りぴーちゃんは空で鳥を、俺とミュウは兎や鹿を、クイーンはどうする?」
「ウォン!!」
「一人で狩るのか?気を付けろよ?」
「ワォ~ン」
まぁクイーンは一人だけレベルが16と高いから平気だろう。
俺達はさっそく森の中に入った。今回は狩りが中心なので高く売れそうな物を探す程度にして先に進んでいく。
ある程度進んだが、果樹は見当たらなかった。
まわりを見回し少し大きな木を見つけると、ここを基点に狩りをすることにした。
「よし、この木を基点に狩りをするぞ!!獲物を捕ったらここに持ってくるように。それじゃあ出発!!」
「ピュイ♪」「キュイ♪」「ワォン♪」
それから30分程たったが狩りは上々だ。
ぴーちゃんが鳥を二羽
俺とミュウで兎を二羽
クイーンは鹿を一頭
仕止めることが出来た。
とりあえず狩ってきたのをそのままアイテムボックスにしまっていたので、血抜きがてら休憩することにした。
「最初としては上出来だな。クイーンが鹿を仕止められるなら、鹿を見つけたら一緒に行って狩りをした方が良いかもな。兎より鹿の方が肉多いし」
「ウォン!!」
「ぴーちゃん、クイーン今度鹿を見つけたら皆で挑戦するから教えてくれな!!」
「ウォン」「ピュイ」
血抜きも終わり次の場所に移動した。同じように採取はざっと見で進み果樹も見当たらなかった。
そして、狩りを始めて少しするとぴーちゃんが呼んでる気がした。
なんとなく呼ばれている方へ進むとイノシシがいた。いや、いつもと何か違う気がして鑑定をしてみると、ファングボア、イノシシのモンスターであった。
さすがに初めてのモンスター、しかも、少し強そうなのでクイーンも呼ぶことにした。
ぴーちゃんにクイーンを探すように念じ、クイーンにも来るように念じてみた。
少しするとホントにクイーンがやって来た。どうやら従魔とのテレパシーはある程度離れていても使えるようだ。これは良い発見をした。
クイーンが来たことで俺達は作戦会議をおこなった。
「作戦を話すぞ?いつも通り落とし穴を掘るからミュウにファングボアを誘い出してもらう。初めてのモンスターだから足の早さも分からないから気を付けろよ?」
「キュイ!!」
「そして、ファングボアが穴に落ちたら投網をする。動けなくなったところで総攻撃だ。」
「ピュイ!!」「キュイ!!」「ウォン!!」
「ぴーちゃんはまわりの警戒も任せた!!」
「ピュイ!!」
そうして俺達は初めてのファングボアとの狩り?戦い?を開始したのだった。




