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「おおっ、君があの狼達の飼い主か。それにポーションも助かった!」


クイーンやクルスくんの事を話そうと商人リーダーや襲われていた商隊が集まっている所に向かうと商隊の人が話しかけてきた。どうやら商隊のリーダーらしくお礼を言いに来たようだ。


「君たちのお陰で誰も死なずにすんだよ、ありがとう。ポーションの代金はしっかり払わせて貰うよ」


こちらの増援、というか本来は偵察隊はギリギリ間に合ったみたいだ。こうなるとクイーン達は正しかった事になるがそれは運が良かっただけかもしれない。それに使ったポーションもお金を払ってくれるみたい。ポーションの効果も実感してくれただろうし宣伝もしてくれるとありがたいんだけどなぁ。


俺が来たのがちょうど良かったのかそのままリーダー達に混ざって話し合いに参加した。

襲われていた商隊はけっこう大きな商会らしく各地の大都市に支店をいくつも持っているらしい。当然王都や港町にも支店があり、この商隊が各支店に商品を輸送している。大きな商会なので護衛は俺達よりランクが上の冒険者を雇っていてそのお陰で持ちこたえられたのだろう。その冒険者達も全身傷だらけだったらしいが致命傷は無く、誰も死んでいない。さすが高ランク冒険者だと思う。


状況がわかったところで馬車を移動することになった。いつまでも同じ所にいてまた盗賊に襲われたらたまらないからだ。襲われていた商隊と一緒に列を作り少し速めに移動した。休憩もそこそこに進むと野営が出来る所に日が暮れる前に到着した。


ちょっとした強行軍だったので襲われていた人達は疲れきっていた。その為こちら側の冒険者が見回りを担当することになった。まぁ、今までより少し馬車が増えたくらいでやることはあまり変わらないんだけど、こちら側の商人達はここぞとばかりに大商会と繋がりを持とうと話をしている。本当ならうちも行くべきなんだけど、正直大商会のお店がある街が同じだからライバルになるかもしれないんだよなぁ……。



「聞いたよ、あのポーションは君達が作っているんだって?」


食事の仕度をしていると大商会のリーダーがやって来た。やはり商隊を任されるだけあって、こんな状況でも良い商品は見逃さないんだろう。護衛の冒険者だけでなく、盗賊達にもポーションを使ったので効果は実証済みだしね。ちなみに盗賊達には低ランクのポーションで最低限の傷しか治していない。これは以前会った盗賊の時と同じで賞金が出る場合があるし、犯罪奴隷としても売れる可能性がある。何より今回はこの地域を騒がせている盗賊団の一員だ。上手く行けばアジトが見つかるかもしれない。それに、人を殺すのは抵抗があるからな……。

で、その効果の高いポーションに目を付けたのでこっちにやって来たそうだ。商人組に対応してもらいたいんだけどポーションの在庫の確認もあるからと俺も付き合わされた。まぁ、「アイテムボックス」に山のようにあるのでいくらでも売ろうと思えば売れるのだが、今回は教えてもらった迷宮都市のお店にも売らなきゃいけないのでそこそこの数で勘弁して貰おう。


大商会との話し合いは続き、盗賊達の話しになった。彼らが言うには倒したのがクイーン達なので権利が俺達にあると。だが、クイーン達は勝手にやったことだし、他の冒険者達も協力してくれたので独り占めのような状況はあまり好ましくない。しかし、さすが大商会、良い解決策を教えてくれた。といっても話は単純だ。おそらく国境都市では事情聴取というか、盗賊について色々聞かれ、手続き等で数日はかかるというので、その間に飯や酒を奢れ、ということだ。いわゆる幸せのお裾分けみたいな物か? その話に聞き耳を立てていた近くにいた冒険者が喜んでいたのでその案を採用することにした。

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