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近くにいないから見えないだけかと思い呼んでみたが妹ちゃんからの返事はない。最後に妹ちゃんを見たのはどこだ? と考えると一つの可能性にたどり着いた。


(クイーン、聞こえる? もしかして背中に誰かいる?)

(ガウッ!)


うわぁ、やっぱり妹ちゃん、クイーンに乗ったままだった。それに、ぴーちゃんからはおじいさんがこっそりついてきていると教えてもらった。残念ながらサクヤちゃんだけが残った形だ。しかし、行ってしまったものは仕方がない。ぴーちゃんとクイーンに妹ちゃんの護衛をお願いし、こちらも盗賊に備えよう。


商人リーダーの指示で馬車を近付け一塊にし索敵が得意な冒険者が周囲に散っていった。俺は商人として来たのだが、今はそうもいっていられないので『魔力探知』で周囲を探る。従魔で残っていたミュウも馬車の上にのぼり音を警戒してくれている。


本当なら盗賊に近付きたくはないのだが、この人数なら襲われている馬車を助けられるかもしれないからと商隊はゆっくりとだが進んでいく。護衛の冒険者達も隊列というほどでもないがお互いをカバーし合える距離を保ちながら歩いていく。ゆっくりと、でも助けが間に合うかもと気持ち急いで進んでいく。途中周囲を見に行った冒険者が戻ってきたが盗賊らしき姿は無かったそうだ。だが、油断は禁物戻ってきた冒険者には先行して警戒することになった。


「キュイ!」


冒険者が先行して少しするとミュウが何かに気付いたようだった。


「どうしたの? 盗賊?」

「キュイ! キュイッ!」


どうやら離れた所に誰かが隠れてるみたいだ。おそらく盗賊の見張りだろう。幸いにも隠れてるのは一人だけみたいなので商人リーダーに話をしてミュウに偵察に行ってもらった。その間にこちらも何人かの冒険者に声をかけていつでも動けるようにしておいた。


「キュイッ!」


ミュウの鳴き声が聞こえたので数名の冒険者がそこへ向かった。そして、戻ってくると一人の男を捕まえていた。連れてこられた男は冒険者のような格好をしていた。どうやら気絶しているみたいだけど、格好からすると盗賊じゃなかった? もしかして、間違えたかと思ったが男の近くに連絡用の狼煙やら毒らしき物もあったので盗賊で間違いないだろうとの事。しかも、現場に着いたらすでにミュウが気絶させていたらしい。人違いの可能性もあったので一言連絡してほしかったなぁ。


捕まえた男を起こすと冒険者達が取り囲み、怯えた男は盗賊だと白状した。その男はこの先で馬車を襲っているのも盗賊だと白状したので商人リーダーの指示で大声を出しながら進むことになった。この盗賊団は組織だっているみたいなので大人数が来れば撤退するだろうと予想しての事だ。


引き続き周囲を警戒しながらさっきよりも急いで進む。クイーンやぴーちゃんが気付くほどの距離なのですぐに遠くに馬車が見えてきた。こちらの大声に気付いたのかクイーンと子狼達の遠吠えが聞こえてきた。よく見ると手を振ってる人もいる。どうやらこちらの予想通り盗賊は逃げていってくれたのだろう。


「遅かったな、もう盗賊どもは逃げてったぞ」


襲われていた馬車に追い付くとクルスくん達がこちらに駆け寄ってきた。他の冒険者は商人リーダーの所に向かい、商人リーダーは襲われていた馬車に向かっていった。


「盗賊もほとんどクイーンとおチビにやられてほとんど出番がなかったぜ」

「そうよ、なんでこっちに来させたの!? びっくりしたじゃない!」


クルスくんはクイーン達の活躍に悔しそうにしているが、イリヤちゃんはなぜか一緒に来ていた妹ちゃんに驚いていたようだ。こちらもいない事に気付いて驚いたので今後はしっかりと確認し合おうと話し合った。

まぁ、皆無事だった事だし何があったのか聞いてみようかな。

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