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ダンジョン都市に向かうのは馬車約二十台、人数も馬車一台に商人兼御者一人に護衛が数人いて総勢百人以上の大所帯となった。孤児院からも馬車三台に従魔達、俺達の他に商人組と冒険者組を合わせて十二人とかなりの人数だ。

さすがに盗賊もこの集団に襲いかからないだろうと院長先生は安心してくれたみたいだけど、何があるかわからないのでしっかり警戒はしておこう。というか、この人数がダンジョン都市に行ったら売る商品が大量に出回って値下がりしないか心配したのだが、商人さん達に話を聞くと一緒に行くのは国境を越えた所まででその後は隣国の王都や大都市に別れてダンジョン都市に行くのは半分くらいになるらしい。この集団は国境を越えるための集まりらしくギルド経由で集めたようだ。さすがに知らない人がいるのは不安なので誰かしら知り合いで繋がっているみたいだけど知らない人もけっこういるみたいだし、旅の途中は自己紹介をしなきゃいけないんだろうな。



「そういえば真っ直ぐダンジョンに向かうのか?」


馬車に揺られ進んでいる途中、クルスくんから質問が。


「最初は港町だよ。それから関所を越えて隣の国のちょっと大きな町でそれぞれの目的地に向かうんだよ」

「なんで港町に行くんだ?」

「皆で塩を買いに行くんだよ。隣の国では塩が確実に売れるらしいから荷台に積めるだけ買ってくよ」


隣国は海に面していないので塩が確実に売れる。まぁ、塩を買う国はこの国以外にもあるので高くは売れないが確実に利益は出る商品だ。商人達も竜の森で色々仕入れたが塩を買う分の馬車の空きは作ってある。ちなみにその馬車の空きに護衛が座っているので港町に行くまでは早く進む。港町で塩を買ったら護衛達は歩きになるので進むペースは落ちてしまうだろう。


港町への途中、村や町には寄ったのだがさすがにこの人数では宿を取るのは難しかったので野営となった。ただ、普通の野営と違って馬車も人も多かったので夜の見張り等はやりやすかった。食事に関してはこの辺りならばまだ慣れているのでクイーン達が狩ってきた肉をスープや肉串にしてお裾分けしたりして他の商人達の護衛の人達とも打ち解ける事が出来た。


その中でもダンジョンについての話も聞けた。隣国に向かうということは隣国から来た人もいるわけでその人達から話が聞けたのだ。商人からは隣国やダンジョン都市で売れそうな商品、お買い得な商品など。売れそうな商品は出発前に教えてもらいたかったが、知り合えたのが出発後なので仕方がない。港町で仕入れられる物だけで我慢しておこう。


冒険者組は護衛の人達からダンジョンについて聞いていた。竜の森とは違いダンジョンにはお宝があるので一攫千金を狙う冒険者は数多くいるらしい。出てくるモンスターも階層毎に決まっているようなので、新米冒険者も無理なくダンジョンに挑めるらしい。ちなみにダンジョン自体の構造はわからないが、建物の様にある程度の広さの階層に別れていて、何階あるのかもわかっていないらしい。しかも、その階層は洞窟風だったり遺跡風だったり、森だったり色々なのがあるようで、なぜそうなっているのかも謎らしい。つまり、ダンジョンは謎だらけ、ということだった。


そして、竜の森との大きな違いが罠だろうか。入口に近い階層はモンスターも弱く罠も簡単な物なので、浅い階層で罠を発見、解除の練習をするんだろう。罠は入口から遠くなる、深い階層になるほど見つけ辛く凶悪な物になってくる。例えばスイッチを押すと作動する罠では浅い階層では小石が飛んでくる程度なのが、段々と石が大きくなり、矢に変わり、矢に毒が塗られるようになるのだとか。石が飛んでくるだけで当たり所が悪ければ死んでしまうが罠に引っ掛からないように誰かしらがそういう技能を持たないとならないだろうなぁ。少なくともクルスくんに頼るのは危険そうだな。

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