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「風龍ってかっこいいな!」

「あれを倒せる冒険者っているのかな?」

「シュウの力で従魔に出来ないのかな?」


風龍出現から一ヶ月。町は風龍出現前の賑わいを取り戻し、やって来ていた騎士団も風龍のりの字も見当たらないのでそのほとんどが王都へ帰っていった。残ってるのは監視や王都への連絡要員の数十人だけであった。

風龍の影も形も無くなったので町やギルドも冒険者の竜の森への立ち入りを少しずつ許可し、今では冒険者達も昔通りの生活に戻っていた。


もちろんそれは孤児院も同じで今日は久しぶりに冒険者組と森に採取に来ていた。森の浅い所だしクイーンを筆頭に従魔達が周辺の警戒並びに狩りをしているので俺達は採取中心になるのだが、最近採取中の会話が風龍についてばかりになって少し困っている。

それは、うちに従魔がたくさんいるのが原因の一つではあるのだが冒険者組含めて孤児院の子供達が風龍を怖がっていないのだ。本来だったらクイーン達狼のモンスターも危険なのだがクイーン達で慣れてしまったのか野生のグレイウルフを見てもそんなに怖がらない子達になっていて、風龍も最初は大きさや迫力に怖がっていたのだが、クルスくんの「龍ってかっこいいな!」の一言から恐怖の対象から憧れの対象に変化していってしまった。


風龍の正体がおじいさんということもあり、孤児院含めて市場や町、王都に被害が無かったのも怖がらない理由かもしれない。

採取の時も話題になるが晩御飯の時もよく話題となった。屋台での話題の一つでもあるのだが、屋台にはおじいさんとその仲間達がいるので風龍の話題は一番盛り上がってたりする。おじいさん達にしてみれば「かっこいい」だの「強そう」なんて言葉は誉め言葉だろうからな。クルスくん達もまさか本人を目の前に話してるとは夢にも思わないだろう。


「そういえば風龍以外にも龍っているのか?」

「いるぞ、有名なところだと『火龍』『水龍』『地龍』だな」


屋台で風龍の話をしていると他の龍の話になった。


「ここみたいにそれぞれ生息地があって場所によっては龍を見ることが出来るぞ」


どうやら他の龍は場所によっては見るのは珍しい事じゃないみたいだ。というか、見ることが出来るってことはそんな危険なモンスターじゃないのかな?


「そうだな、襲われたって話はあんまり聞かないな。ここみたいに手を出さなけりゃ平気みたいだ。地龍の鱗なんかはたまに市場に出るらしいし」

「だけど、地龍の鱗はでかすぎて防具にゃ使えないみたいだけどな」

「龍の鱗を使った武器は属性が付いて使えるみたいだぞ。竜の鱗の方が出回ってる量が多いけど、いつかは使ってみたいもんだ」


いつの間にかおじいさん達以外にもベテラン冒険者達も加わって龍について色々な情報を手に入れることが出来た。

しかし、この時の会話がいけなかったのかおじいさんの仲間達が爆弾を持ってきてしまった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 風龍の鱗! お爺さんの年齢は、王国の歴史より古そうですね 鱗は売るどころか、掃いて捨てるほどありそう 売れば、孤児院の資産になりますが、王家に献上すれば、院長のお婆さんは爵位を賜れそう 孤児…
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