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おばあちゃんのお店を後にし、次のお店に向かう。次のお店はおばあさんがおしゃべりの中で色々と聞き出してくれた所だ。いわゆる地元民が使う店とか穴場の店だろう。
向かったお店は生地屋、食料雑貨の店、八百屋や肉屋でフレイの町と同じじゃん、と思ったのだが仕入れ先が違うと品揃えは全然違った。そして高かった! 最初のおばあちゃんの店はそんなに値段は変わらなかったんだけど他のお店は見事に皆高い。まぁ食料品はそこまで高くはないのだが、これが都会価格なのか……。
何軒も店を回るとサクヤちゃんも人に慣れてきたのでいよいよ大通りへ。
「やっぱりにぎやかだね」
「人が多いね……」
多少は慣れてきたけどやっぱり人が多いので迷子にならないように、という意味も込めてサクヤちゃんとおばあさんと手を繋いで歩いていく。屋台では多種多様な物を売っているが欲しい物があるわけではないのでブラブラ冷やかしていく。
たまに気になる品物に『鑑定』を使ってみるのだが、特にコレといったものは見つからなかった。その代わり見慣れない野菜や果物、香辛料や調味料らしき物はいくつか見つけたので購入した。当たりの品なら大量購入したいものだ。
「いらっしゃい、いらっしゃい」
「うちの肉は美味いよ!」
「焼きたてのパンはいらないか!」
雑貨や食料品の屋台を抜けると食べ物の屋台エリアに突入した。色々な串焼きや鉄板焼、煮込み料理等フレイの町や港町とも違った顔ぶれが並んでいる。基本的な味付けは塩味が多そうなのだが、時たまタレのようなものをかけたり塗ったりしている物もあるので辺りに良い匂いが漂っている。
「良い匂いだね」
「美味しそう……」
「少し食べていこうかね」
やはり出来立ての匂いには敵わず買い食いをすることに。しかし、俺、サクヤちゃん、おばあさんとそんなに食べられないので一つを三人で分けあって食べていた。変わり種のタレ味の商品は妹ちゃんやシャルちゃん含む料理組にお土産として買っておいた。
食べ物屋台を歩いていると商人組、冒険者組を見つけ合流した。二組ともギルド帰りで匂いに負けてここまできたらしい。
「俺達のおすすめは肉串だな! なんでも秘伝のたれとかで美味かった!」
「私達が飲んだスープも美味しかったわよ」
「それならパンも美味しいよ。屋台なのに柔らかいパンだったし」
一緒になった俺達は食べてきた屋台の情報を出しあっていた。そして、そんな話をしたら食べたくなるのはしょうがないと思う。幸いなことに冒険者組はまだまだ食べられるというのでオススメのお店を回りつつ新しい屋台も開拓していった。もちろんお土産として買っていくのも忘れない。
「そういえばギルドで良いお店聞いたのよ」
「可愛い小物のお店みたいよ?」
「サクヤちゃんも一緒に行きましょ!」
食べ歩きしていると女の子同士でおしゃべりを続けていた商人組と冒険者組女子がサクヤちゃんを買い物に誘い出した。
「なぁ、ギルドで武器屋の場所を聞いたんだけどシュウも行かないか?」
「お前がいれば変な物買わずに済むからな!」
こちらは冒険者組男子から武器の購入のお誘いだ。俺というより『鑑定』スキルが必要みたいだけど、確かに俺も行ってみたいと思っていた所だ。
そうなると男と女で別れて行動するのだが、サクヤちゃんはなぜか残念そうな表情で俺を見つめていた。
「サクヤちゃん、早く行きましょ!」
引きずられるように連れていかれるサクヤちゃん。うん、女の子同士仲良くなるのは良いことだよね!




