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さすがに毎日冒険に出るわけにはいけないので今日は生産活動に勤しむ日だ。

まずはシャルちゃんの所へ。ここでは色々と魚介類の研究をしていた。この町で食べられていたのは川魚か干物位だったので張り切って料理していた。もちろん味見役の子供達も大満足。ただ、海の魚介類を屋台で出しても平気かどうか悩ましいところだったりする。リンちゃんの所に来る老人達には柔らかい魚のスープなんかちょうどいいと思うんだけど、俺がいない間の事を考えると難しいかもしれないな。なんとか魚を冷凍出来ないか挑戦してみよう。

料理組は魚介類に合うスパイスも調合してくれていたのでそれも貰うことが出来た。ただ、干し肉はさすがに時間がないからまだ出来てなかった。


続いては木工組。俺はアイテムボックスにしまってあった木を取り出し魔法でどんどん乾燥させていく。何度もやっていると多少は慣れるのでテンポ良く作業は進んでいく。それが終わると木工組が加工した木材をしまっていく。


「シュウ、これもしまっておいてくれ」


木工組に言われ見に行くとそこには簡素ではあるが鳥小屋が出来ていた。


「港町で家作るんだろ? 久しぶりだからな、これで練習したんだ」


確かに最近は小物作りが多かったからなぁ。それにシーキャットも増えたしちょうどいいや。


「時間があったら他にも小屋を作っとくな」


どうやら木工組は張り切っているようだった。小屋もアイテムボックスに入れておけばいいので問題はないけど木材の使いすぎには注意してもらいたい。



お次は冒険者組とコボルト達のところ。彼らには狩ってきたモンスターの解体をお願いしていた。解体した物は肉や皮や爪に牙、内臓等があるのだがここから料理組や裁縫組、鍛冶組や調薬組に運ばれて加工される。俺は使われなかった物や余った物をアイテムボックスにしまい、新しいモンスターと交換していった。


「あぁ、もう、お前持ってくるの多すぎだよ!」

「「「クゥ~ン……」」」


俺が解体前のモンスターを並べていると解体していた子達から苦情がきた。コボルト達も同じく不満というか疲れた表情をしていた。しかし待ってほしい、狩ってくるのはクイーンやクルスくんなんだから文句はそっちに言ってほしい。


「クルスは違うけどクイーンはお前の従魔だろ?

ならお前の責任だ!」


飼い主の責任か……。ぐうの音も出ないとはこの事か……。俺は大量のモンスターを置き去りにそそくさとその場を逃げ出した。



調薬組の所に着くとポーションを入れる器が山積みになっていた。ポーション作りを頼んでいたのだがポーションを入れる器が少なくなってきたのでなんとかならないかと言われていたのだ。そこで商人組に頼み商業ギルドで手に入らないかと相談してもらっていたのだ。

結果は見ての通り、大量に用意してくれたみたいだ。ギルド側も定期的にポーションを卸している俺達に気を使ってくれたのだろう。冒険者組も護衛のついでに隣町で仕入れてくれるとのこと、保管に気を付ければいくらあっても困らないので大量に仕入れておこう。



「ふぇっふぇっふぇっ」


調薬ついでに久しぶりに錬金術師のおばあさんの所にも行ってみた。相変わらずの胡散臭さで一緒に来た妹ちゃんとサクヤちゃんがびっくりしていた。

ここに来たのはお土産の薬草類をプレゼントするためだ。正直竜の森の素材だけで問題はないのだが何か欲しいものがあるかもしれないから、商売に繋げようという魂胆だったりする。場合によっては隠れ里や獣人街、行商人の村の薬草が売れるかもしれないと期待してたりする。


「おや、この薬草かい……。なら今度少し持ってきとくれ。最近、ここらじゃ仕入れられなくてねぇ」


そこまで貴重な薬草ではなかったがこの町に来る商人が買い占めて品不足が起きていたらしい。ポーション用の薬草は冒険者組は売っているので問題はなかったらしいが、解毒、解麻痺なんかのポーションに使えるので助かったと言われてしまった。値段は安いが売れる品があって良かった。

帰り際に薬屋のおじさんにも売ってやんなと言われ帰りに寄ってみたのだが、そこでも喜ばれたので次回は多めに仕入れておこう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 書籍2巻では明かされなかった、妹ちゃんの名前…3巻で明らかに!? 勝手に「マイ」ちゃんと読んでいます。 ただ兄妹の名前を続けて読むと「シュウマイ」にorz この世界に焼売が無くてもいづれシュ…
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