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早速門から町に入ろうとするといつもの門番さんがいた。
「おっ、やっと帰ってきたのか!? って、お前らだけか? 他の連中はいないのか?」
俺達に話しかけ手続きをしてくれるときに人数が少ないことに気付いて質問してきた。
「えへへ、実は新しい孤児院作ってんだよ」
クルスくんが自慢げに言うのだがそれだけでは伝わらないので門番さんははてな顔。俺やイリヤちゃんが補足すると理解してくれて「頑張れよ」とクルスくんの頭を撫でていた。
無事に町に入るとクイーン達を見た町の人たちがちらほら挨拶をしてくれた。
「にしても今日もいたな」
「うん、こんな時間なのにね……」
いつ門に行っても必ずいる門番、謎過ぎる。ちなみにお土産に干物を少し分けてあげたら他の兵士共々喜んでくれた。ついでに美味しかったら買ってね! と宣伝をするのも忘れない。門番ならば色々な人と話す機会があるだろうから味方につけるのは有りだろう。
孤児院に近付くとクイーンやぴーちゃんに気付いた子供達が駆け寄ってきた。
「おかえりー」
「クイーンだー」
子供達は思い思いの相手に突撃していったが人数が少ないことに気が付くとキョロキョロと周りを探していた。
「お兄ちゃんは?」
「お姉ちゃんは?」
子供達から質問されたので港町に孤児院を作るために商人組、冒険者組に残ってもらった事を話した。そうしていると院長先生とシャルちゃんが俺達に気付いたようで孤児院から出てきた。
「みんな、お帰りなさい……他の子達はどうしたの?」
「みんな、怪我はないですか?」
二人は俺達の無事を喜んでくれたが、やはり人数が少なくなっていることに少し顔色を悪くしていた。
「命を預かるというのはとても大変な事なのですよ?」
「お金はどうするのです?」
「人は足りているのですか?」
「住むところはあるのですか?」
院長先生とシャルちゃんに新しい孤児院の話をしたところ矢継ぎ早に質問というか注意をされてしまった。おそらくはこの孤児院に辛い時期があったことを悔いているのかもしれないけれど、いまはそれなりに資金があるので大丈夫なはずだ。
しかし、ここで俺はミスをしていた。その資金はどこから出ているのかを尋ねられワイバーン等のモンスターを売ったお金だと言うと、それはどうやって手に入れたのかと話が進んでいった。
「シュウ、なんでそんな大事な事を言わないのですか!」
失敗した。アイテムボックスにたくさんあったワイバーン等の素材が売れるのが嬉しくて色々と売ってはいたのだが、そういえばおじいさんにもらった事を院長先生に言い忘れていた。おじいさんに貰ったとはいえ、保護者がお礼を言わないわけにはいかないのはわかりきったことだったのに……。
院長先生に連れられておじいさんにお礼を言いに行ったのだが「かまわんよ、サクヤも儂らも楽しませてもらっておるからの」と言って笑って許してくれた。元々おじいさん用にお酒を多めに仕入れていたがもう少しお酒を多めに仕入れてあげようと思った。
院長先生への話は終わったのだがさすがにこれから牧場に行くわけにはいかないので皆への詳しい説明は明日となった。今日の晩御飯はお土産の海鮮鍋になる予定だ。シャルちゃん達がどこまで美味しくしてくれるのか楽しみである。




