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帰ってきた子供達は皆笑顔だった。普段は森に少ししかいられないので採取出来る量は少ないのだが今日は護衛がいたので獲物も多く喜ばないわけがない。


「いっぱい採れたの~」

「これ、私が採ったんだよ!」

「えへへ、今日俺兎仕留めたんだぜ!」


どうやらクイーンが子供達に狩りの練習もさせたみたいだ。子供達にはまだ危ないから注意した方がいいかな? まぁ、兎ならば怪我する可能性は低いか……。

村の入り口まで迎えに来た親に興奮して話す子供達だが一人の子供から「ぐ~っ」とお腹の鳴る音が聞こえると回りからも合唱するように音が聞こえ、「お腹すいた!」とそれぞれの家に帰っていった。


チナちゃんも例に漏れずお腹を空かせていたのでお家に帰っていった。俺達もその後を着いていく。サンさんが俺達の分の食事を作ってくれていたのだ。さすがにクイーン達の分は無理なので外で肉を焼いてあげる。サンさんが作ってくれたのはスープにパンなのでちょっとしたバーベキューのようだ。


食事の最中、熊の行商人に氷室の事を話しておく。大まかな形は作ったがドアや柱は作ってもらわないといけないからだ。さすがに昼間怒られていたので呑むことは無いと思いたいが早めに伝えておく。


「あのね、きょうさくやちゃんとちなちゃんとたくさんやくそうとったんだよ!」


おじいさんに話終えたとたん、妹ちゃんが今日の出来事を楽しそうに話してきた。よほど楽しかったのかサクヤちゃんも話してくれていた。

チナちゃんは一生懸命サンさんに話しかけている。おじいさんと熊の行商人は少し寂しそうに話を聞いていた。



次の日は妹ちゃん達の戦利品の整理をした。薬草、キノコ、木の実と採取した品物は豊富だし、相変わらずクイーン達は獲物を狩りすぎだった。男の子達は村の人たちから解体を教わるそうで村から少し離れたところへ向かった。


女の子達は奥様方や熊の行商人指導のもと食べられる物や売れる物の仕分け作業である。ちなみに俺は男だけどこちらにいる。採取した物を見て場合によっては買うつもりだからだ。一応商業ギルド証を持ってるからね。


採取してきた物は全体的に見ても竜の森では見かけない物が多かった。やはり竜の森と随分離れているので植生が違うのだろう。

薬草にしろキノコにしろ木の実にしろ乾燥させれば長持ちするので少しずつではあるが買わせてもらった。どのくらい効力があるかはわからないが、薬屋のおじさんや錬金術師のおばあさんへのお土産も含め薬草は多めに。


相場がわからないのでその辺りは熊の行商人と相談して決めた。まぁ、元々自分達で食べるような物ばかりなのでそんなに高くはなかった。それと薬草は冒険者ギルドの報酬と同じくらいの金額となった。その辺りは元冒険者がたくさんいるので相場はバッチリである。


そして、その売上は子供達に渡されることとなった。金額もそれほど高くないし、子供達の人数で割ればそれこそ少額ではあるが自分達で稼いだお金である。渡したときは皆嬉しそうにしていた。昔は家の手伝いをしてお小遣いを貰ったら駄菓子屋に駆け込んだもんだ。

この世界は家の手伝いは当たり前にやる事だからお小遣い等存在しないのでこういうお小遣いは珍しいんだろうなぁ。


この世界には駄菓子屋なんか存在しないからもし次来ることがあったら竜の森のドライフルーツでも持ってきてあげようかな。

いつの間にか2000万PV突破してました。ありがとうございます。

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[一言] 妹ちゃんは名無しのままですか?
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