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港町を出発して数日、俺達はとある町に宿泊していた。明日からは熊の行商人の村がある山へ登ることになっていた。
この町は村から一番近い所にあり、最後の宿泊場所だ。朝から出発すれば夕方には着けるらしく、クイーンとクルスくんのおかげで馬車で行くよりも半分以下の時間で着けたみたいだ。
幸いな事に王都や港町からは遠ざかったのでクイーン達も宿に泊まれたのでそれなりに満足のいく道のりだった。
明日は山道ということで今まで乗ってきた狼車はおじいさんにしまってもらい徒歩での移動となる。俺のアイテムボックスに入れてもよかったのだが、まだ収納系の物はおじいさんの魔法しか見せていないのでそちらにしまう事になった。
正直クイーンとクルスくんが大人しく登山してくれるとは思えないので少々不安でもある。
そして次の日、予想通りというかなんというか、山に入り少しした所で我慢できなくなったのかクイーンが走り出して山道を逸れて森の中に突入してしまった。
「あっ、ずるい! 俺も行ってくる!」
とクルスくんも続けて森の中へ。熊の行商人曰くこの山はモンスターはあまり出ないそうなので心配はそんなにしなくても平気だろうとのこと。
「ピュイー」
「ミャー」
上空ではぴーちゃん達が警戒と狩りをしてくれていた。
「まったく、クルスは落ち着きが無いわね」
イリヤちゃんがクルスくんに呆れているが、よく見るとイリヤちゃんもウズウズしてる?
「おにいちゃん、あたしもいきたい!」
「(こくこく)……」
なんと、妹ちゃんにサクヤちゃんも森に行きたがっているみたいだ。そういえば最近は旅ばかりで森に行くことはなかったからな、竜の森が恋しくなったのかな?
「少し寄り道しても大丈夫ですか?」
「ああ、思ったよりも皆歩けているから少し位なら大丈夫だろ」
熊の行商人にも確認を取ったので皆で少し森を散策することにした。
「おにいちゃん、あそこ、やくそうだよ!」
「こっちにキノコがあるよ……」
旅に出てすでに一ヶ月になるが森での採取の腕は落ちていないようだ。さすがに竜の森程ではないがコツがわかるのか次々に薬草やら食べ物を見つけていく。一応魔力を探っているが気になる物は見つけられないのでモンスターはいないのかもしれない。
しばらくするとクイーンが鹿を、クルスくんが猪を抱えて戻ってきた。
「どっちが大きい!?」
クルスくんは皆に聞いたが俺達の意見は一致していた。
「「ぴーちゃん」」
いつの間にかぴーちゃんとシーキャットが鳥やウサギを山のように狩っていたのである。あまり狩りすぎると地元の人に迷惑をかける場合もあるし、生態系を壊すのもまずいので注意しておかないといけないな。
大量の獲物だが、さすがに解体している時間は無いので、おじいさんにしまってもらい村へのお土産とした。
少し時間がかかってしまったが、気分転換が効いたのか進む速度がなぜか上がり、俺達は予定通り日が暮れる前に熊の行商人の村へとたどり着くことが出来たのであった。




