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「しょっぱ~い!」
「しょっぱいにゃ!」
「にゃ~!」
漁師さんと別れどこへ行こうか考えていると妹ちゃん達の悲鳴が聞こえてきた。俺とクイーンが慌てて妹ちゃん達の所へ向かうと妹ちゃんと猫族の二人はおじいさんが出した水をガブガブと飲んでいた。
「いったい何があったんですか!?」
おじいさんがいるから大きな問題があるとは思っていなかったけど、悲鳴が聞こえるとは思わなかったのだ。
「いや、なに、ただ海の水を飲んだだけじゃよ」
なるほど、偶然なのか喉が乾いていたからかはわからないが初めて海水を飲んだのならビックリするのは当然だろう。サクヤちゃんが水を飲んでないのは海水の事を知ってたのかな?
「みんな、大丈夫?」
「おにいちゃん! あのおみずのめないよ!」
「とってもしょっぱいにゃ!」
「お水じゃないにゃ……」
なんとかしょっぱいのが治まったのか口々に海水の不満を言い出していた。
「あの水からお塩が出来るんだよ。だからしょっぱいんだ。これからは飲まないように気を付けるんだよ?」
「は~い!」
「はいにゃ!」
「にゃ!」
うん、素直でよろしい。さて、妹ちゃん達はこのせいで少し海水を怖がってる雰囲気があるな。一緒に散歩でも誘おうかな?
「しょっぺ~!」
「「「キャウ~ン!!!」」」
おっと、向こうでも同じ事しているのがいるな?
見ると大慌てで走ってくるクルスくんと子狼達が見えた。
俺は大きめの水の塊を魔法で出し、待ち構えているとクルスくん達は勢いそのままに顔を突っ込んだ。
「良かった! これは飲めるぜ!」
顔を水から出してクルスくんはそう叫んだ。
「ガウゥ~」
子狼達もよっぽどしょっぱかったのか萎びれていた。というか、魔法で出したのはわかっていたのだろうが海水で失敗したのだから確認してから飲んでほしかったな。
「いやぁ、まさか海の水があんなにしょっぱいとは思わなかったぜ」
「なんで海の水なんか飲んだの?」
「いや、なんとなく?」
「ガウ!」
うーん、好奇心って事かな?どちらにしろ皆集まったなら一緒に行動しようかな?
「ところで、今からあっちの方に行こうと思うんだけど一緒に行く?」
「いく~!」
「行くにゃ!」
「にゃ」
「おう! 行くぜ!」
皆も賛成みたいなので、港町とは少し離れていくけど岩場の方に向かった。
向かう途中に漁師さん達から魚を買えるかも知れないことを伝えておいた。
岩場は少し離れていたので小走りで向かった。おじいさん、クルスくん、クイーン達は問題なく走れたが俺達は砂浜にまだ慣れていないので少し走り辛かった。
岩場に着くと皆散らばって歩き回った。岩場には水溜まりが出来ており、その中に何かいないかと探しているのだ。
「おにいちゃん、おさかないっぱいだよ!」
「お魚、たくさん……」
「おさかなにゃ!」
「ちっちゃいにゃ!」
早速小魚を見つけたみたいでサクヤちゃんまで興奮しているみたいだ。
「おい、シュウ! 貝もいるぞ! これ食えるのかな?」
「ガウ!」
「ウォン!」
「ワウン!」
クルスくんも子狼達も早速色々見つけたようだ。
俺も辺りを見ていると小魚や貝、カニも見つけることが出来た。さすがに小さいし食べられるかわからないが、カニも食べたいなぁ……。
「ガルルルルッ!」
そんなことを考えているとクイーンの威嚇する声が聞こえてきたのだった。




