200
ついに200話
「よし、次の街に出発だ!」
クルスくんの掛け声と共に俺達は王都を離れ次の街に向けて出発した。
ワイバーン等の素材に関しては獣人街の商人達にお願いしておいた。どうせ帰りにも寄る予定なのでそれまでになんとか出来ていれば良いなぁと思っている。少なくともお酒は多めに仕入れてくれるように頼んでおいた。
そして、次に向かうは港町である。理由は単純、塩を買うためである。この世界でも海は塩水で海水から塩が作れるのでそれを買いに行く。
岩塩と違い少し高いが味が良いので商品としても外れない品だ。
熊の行商人の家も近づいているらしく、自分達の村の分を買いたいそうだ。ついでに孤児院の分も買っておこう。
出発して数日、あれよあれよという間に目的の港町に到着した。というのも、港だけあり、交易が盛んで王都との街道が整備されていたので馬車のスピードが早かった事に加え、王国の騎士団が巡回しているらしく、モンスターや盗賊を気にせずに走れたからだ。
「にしてもこの匂いはキツいな」
「これが海の匂いだよ、我慢しないとね」
港町に着いてまず気になったのは海の香りだろう。俺としては懐かしい匂いだが、鼻の良い妹ちゃんやクルスくんは慣れるまでは大変かもしれない。クイーンも少し嫌がっていた。
町の中は他国とも取引をしているためか獣族や獣人族もちらほら見かけるので、王都ほど嫌な感じはしなかった。
通りを歩くと屋台が出ているのだが海の匂いに負けない海産物を焼く良い匂いがした。
「あぁ、良い匂いがするな」
「ヨダレが出る匂いだな」
「おにいちゃん、あれたべよ?」
焼かれた海産物の匂いに食欲が刺激されたのか冒険者組も妹ちゃん達も食べる気満々である。
「じゃあ、皆で適当に買って、どこかで食べようか」
「じゃあ、俺達が買ってくる!」
「なら、私達は食べれる場所を探しましょ」
俺の提案にクルスくんと冒険者組が買い出しに、商人組の子達が広場を探しに動き出した。妹ちゃんも買い出しに行きたそうだったけど、人通りが多く迷子にならないか心配だったので一緒に場所取りに来てもらった。
少し歩いた先に広場があったので、そこに馬車を停め買い出し組を待った。しばらくすると大量の食べ物を持った冒険者組が戻ってきた。
「いやぁ、どれも美味そうで迷っちゃったよ」
「良い匂いだしな」
「それに値段も安かったな」
確かに他の所と比べると海産物は驚くほど安いだろう。なにせ保存技術が乏しいから基本的に産地でしか食べられないからだ。
買ってきた物は串に刺した焼き魚に焼いた貝、干物のような開いた魚を焼いたのもある。この世界では生で魚は食べないらしい。刺身も食べたいとは思うが食中毒が恐いし醤油も無いので諦めよう。
「おいしい!」
「美味いな!」
「ハグハグハグ」
買ってきた物はどれも美味しかった。魚は脂がのってるし、身も厚い。貝もサザエのようなやつやハマグリのような物がありどれも美味しい!
醤油が無いので味付けは塩味なのだが、塩が豊富なだけあってしっかりとした味がありこれはこれで美味しい。
ここでは塩を買いに来たが魚を買うのもありかもしれないな。他の人なら無理だろうが俺のアイテムボックスなら腐らないからな。干物もあったし乾燥昆布みたいのもないか探してみるのもいいかもしれないな。
お腹がふくれた俺達は泊まる宿を探し始めた。
王都での事があるので難航するかと思ったのだが、港町だけありすんなりと宿が決まった。もちろん馬車もクイーン達も一緒に泊まることが出来た。
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