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「ねぇ、シュウ、結局あのコボルト達は従魔にしないの?」

「あの子達はもうしなくても平気じゃない? それに、俺よりクイーンやクルスくんに懐いてるから俺が主人ってのもおかしいし」

「そういえばクイーンにもようやく慣れたみたいね、あの子達」


コボルト達を見つけてから数週間、幸運なことに彼らは誰一人欠けることなく集まることが出来たらしい。そして、そのまま牧場に新しい集落を作り暮らし始めてしまった。

おじいさんの結界やクイーン達が周辺の見回りをしているので安心して暮らせると喜び、代わりに牧場や畑の手伝いをしてくれるのでお互い良好な関係となった。

最初のコボルト達だけなら従魔にすることも考えたのだが、後から来たコボルト達もなぜかクルスくんを気に入りクイーンを恐がっていたので彼らはクイーンに預けることにした。クルスくんもクイーンの配下みたいなものだからね。


そして今、コボルト達の事が落ち着いたのであの時の続き、果物採取にやって来たのだ。あの時から時間が経っているので採れる果物も変わったりしているが、それでも森にはたくさんの果物がなっていた。

俺達が採取をする場所はほとんどの冒険者が使う道からは外れているので人と会う事は滅多に無い。人が来ないということは果物も採られる事はないのでいつも大量に採れるわけだ。

正直これだけ採れるなら他にも人がいると思ったのだが、果物一つより薬草の方が高く売れるし、町の人も自分達の分は森の本通り? で充分間に合うのだ。そもそも昔からの癖で人に会わないように行動していた。なので、採取の途中人に会うのはとても珍しいことだった。


「ウォン!」

「おっ、誰か来るぞ?」

「冒険者かな?」

「この辺に来るなんて珍しいわね」


以前のぴーちゃんの時のように稀にこちらを探索している冒険者はいる。そんな時はクイーン達が早く気づいてくれるので隠れてやり過ごしている。この日も早くに気づいたので隠れていたのだが、いつもの冒険者と違うことに気づいた。なぜなら一人しかいないようだからだ。


「一人かな?」

「多分な」

「この辺りは危なくないとは思うけど一人で来るのは珍しいわね」


最初に森に来た時の俺は例外だが、普通は何があるかわからないので数人で採取に来る。それでも一人で来る場合は本通りの人が多いところで採取するのが普通だ。だから、こんな外れで一人でいるのは珍しいのだ。


「どうする?」

「いつも通り隠れてやり過ごそう」

「わかったわ」


俺達は気配を消して通りすぎるのを待つことにした。しかし、その人物はなぜかこちらに向かって歩いてくるのだった。


(おい、なにかこっちに向かってないか?)

(真っ直ぐ来てるね)

(移動する?)

(もう遅いかも)


「お~い、誰かいるか?」


移動するか迷っていると謎の人物は立ち止まりこちらに声をかけてきた。


(どうする?)

(相手は一人だし返事はしないと)

(こっちに気付いてるみたいだしね)

(なら俺が出ていくよ。クルスくん達は何かあったら助けてね)

(任せろ!)(気を付けてね)(ウォン!)


話し合いの結果俺が返事をすることになった。大抵の交渉事は俺の担当だからだ。他の皆には襲われた時の為に備えてもらう。


「いますよ~、誰ですか~」


声を出しながら隠れていた所から出ていく。あまり大きな声を出すとモンスターが寄ってくるかもしれないから注意しないと。


「あぁ、良かった。少し話をしたいんだが良いかね?」


そう言いながら現れたのは熊だった。

「孤児院テイマー」コミカライズ楽しみです。皆さん宜しくお願いします。

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