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俺は完成したコボルト達の家を見つめていた。完成と言っても俺達が作った家ではない。コボルト達が自分達で作った家だ。最初はコボルト達に作らせるつもりはなかったのだが、作る家が人間用の家だと教えたところ、家畜用の小屋の方が良いと言い出し、集落に家があったのを思い出したので試しに作らせてみたのだ。



コボルト達は見た目によらず色々な道具を使うことができた。ボウガンを使えたのでその後色々な道具を試したのだが、細かい作業のは難しいが簡単な作業の道具なら使える感じかな? ノコギリやトンカチは普通に使えるので家作りは大丈夫だろう。……と思っていたのだが……。


集落で見た感じそれほど大きな家は無かったはずなので十分な量の木材、板を出したのだが、コボルト達はそれを欲しがらず別の物を欲しがった。それは木を切っていた時に出た枝だ。何に使うのかはわからないが、たくさん余っているので多めに渡すことにした。


人手がないので一人で作り始めて数時間。小屋は何度か作っていたのでなんとか一人でも進んでいく。


「おーい、来てくれー!」


そんなときにクルスくんから集合がかかった。

行ってみるとどうやらコボルト達が家を完成させたらしく皆を集めたらしい。

そして今コボルト達の家を見ているのだが……。


「これ、おうち?」

「私には枝が山になっているようにしか見えないんだけど……」

「テントっぽくはあるよね」


と口々に疑問を並べる。答を知ってそうなクルスくんもよくわかっていないようだ。

コボルト達の家は大きめの枝を三角錐になるように並べ、その上に大きな葉っぱを屋根がわりにしていただけだった。


「集落を見て蟻にかなり壊されたと思ってたけどそうでもなかったのかしら?」

「むしろ道具が無かったらこれだけ作るのも大変じゃない?」

「そういや集落には大工道具どころか武器も無かったな」

「コボルト達は解体が出来たからナイフくらいはあると思うよ?」


コボルト達は家? の出来に満足し今は中に藁を敷き詰めているが、これはどうなんだろう? 雨漏りなんかも心配なので早めに小屋を作ったほうがいいかもしれないなぁ。


ということで、木工組にも手を借りて二日後にはコボルト達用の小屋は完成した。それぞれの部屋や台所などを作ろうとしたのだが、想像以上にコボルト達は自分達で作った家を気に入っているようだったのでコボルト達が気に入るように簡素な小屋にしたのだが、これって大きい犬小屋か!?

壁があって屋根があって入口はドアがない。うん、犬小屋だな。いや、コボルトの家だから合ってるのか?

そんな俺の葛藤など気にしないとコボルト達は犬小屋に集まったのだがどうやらシンプルな作りを気に入ったようで、こちらにも藁を敷き詰めて寝床を作り始めた。コボルト達の家の時は狭くて置けなかったがこっちにはクルスくん用のベッドも設置してあるのでコボルト達が興味を示してくれれば良いのだが……。


その後、コボルト達とクルスくんはテント、コボルト作の家、俺作の家と順番に過ごしたのだが及第点を貰えたのかクルスくんに頼まれたのかはわからないが俺作の犬小屋に暮らすことになった。

「孤児院テイマー」好評発売中です。

コミカライズのほうも情報が出てきたみたいですね。楽しみです。

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