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ンモ~~~


「ほう、上手いだなや」

「俺達の所にもミルホーンはいるからな」

「いつもおてつだいしてるの!」


俺達は今ミルホーンの乳搾りをしていた。今日はチーズ作りをするのでそのための材料集めだ。

皆は普段もやっているので慣れているがおばちゃん達はこんなに慣れているとは思ってなかったみたいだ。多分うちにいるミルホーンが一頭だと思っているんだろうなぁ……。


「それくらいあれば良いべさ、作業場へ行くだよ」


いくつかの樽にミルクを搾ったらおばちゃんからOKが出たので樽を持ってついていく。

作業場へ着くとそこには果物が置いてあった。


「あれ、その果物はどうしたんですか?」

「おにいちゃん、あれ、きゅ~~ってするの?」


テーブルに置いてあったのは俺がレモンだと思っている果物だった。いや、よく見ると若干違うような気もするが柑橘系の果物にはかわりないだろう。


「気になるだか? なら一つ食べてみるだ」

「なら俺食う!」


そういうとクルスくんは果物を取りかぶりついた。


「スッパーーーーーーーー!」


妹ちゃんは気付いたようだがクルスくんは気付かなかったのかレモンを丸かじりして悶絶している。以前孤児院で食べたときも同じような事をしていた気がするのに成長してないなぁ。

そういえば、クルスくんを見た他の子供達が一時期レモンを怖がってたんだよなぁ。まぁ、その後もあんまりレモンは人気でなかったんだけど……。


「まさか、丸かじりするとは思わなかっただよ。大丈夫け?」

「気にしないでください、いつもの事なんで」

「そうだか? んだら、チーズ作り始めるだよ。材料はミルクとこの果物だ」

「それだけですか?」

「基本はこれで出来るだよ。ただ、果物は季節によって変わるけどなぁ」


まぁ、確かに果物には旬があるからな、年中は採れないよね。


「じゃあ、他の季節は何を使ってるんですか?」

「食べてみてわかったと思うがこれは酸っぱい果物だぁ、他の季節も似たような酸っぱい果物さ使うだよ」

「へぇ~」

「じゃあ一年中チーズを作れるんですか?」

「季節によっては果物の量や味も変わるで年中ではないだよ」


それもそうか。でもこれなら俺達も一年中作ることは可能かな?いざとなればレモンを『アイテムボックス』に保存しとけば良いんだし。味によっては別の実を保存するのもありかもしれないな。


「んだば、早速作るだよ」


そういっておばちゃんは俺達に見せながらチーズ作りを始めた。

作業としては簡単なので何度かやればすぐに覚えられそうだった。作業としてはミルクにレモンの果汁を入れて煮る、煮るとミルクが固まる、それがチーズだった。作業は簡単だが実際はミルクとレモンの配分や煮る温度や時間などあるので簡単ではないのだが、料理の出来ない俺達はこれをシャルちゃん達に教えて丸投げするだけだ。



「「「ありがとうございました!」」」


チーズ作りを教わった俺達は村の人達とシャルちゃん特製スープとチーズにパンという簡単なお昼を食べてから帰る事になった。


「ばいば~い」

「また来いよ?」

「また遊ぼうね!」


村の入口にはおばちゃん含む村人が数人、それと村の子供達が集まってくれていた。おじいさんは村人達と、俺達は子供達と別れの挨拶をした。途中おばちゃんからスープの素を今度持ってくるように頼まれたのでまたこの村に来なくてはいけなくなった。まぁ、妹ちゃん達も来たがるだろうから今度来るときはチーズを作って試食をお願いしようかな。

『孤児院テイマー』HJノベルス様より好評発売中です。

コミカライズも決定しているので小説、コミック共々宜しくお願いします。

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