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新しい弓や杖を作ったことに刺激を受けたのか、クランだけでなく孤児院でも生産ブームになっていた。

木工組はもちろんの事、鍛治組も今までの鉄製だけでなく魔鉄製の武器を研究していた。また、ただの鉄ではなく他の金属なりを混ぜて合金を作ることも始めたようだ。



生産組は男だけではない。女子の生産組も刺激され張り切っている。

薬作りに魔法薬作り、裁縫組も新しい冒険者用の服を作り始めてくれた。

シャルちゃん率いる料理組も森で採れる食材や香辛料の研究をしている。



孤児院の子供達は木製の食器作りがブームになっている。自分のはもちろん売るほどの数が出来つつあり、上手い子になると従魔達の形をした食器を作っていた。



これだけ沢山の生産が始まると当然材料が必要になる。

と言うことで冒険者組と俺達は毎日……というより泊まりがけで狩り、採取、採掘、伐採と走り回った。

当然その間に冒険者女の子組やサクヤちゃんリンちゃんが弓や杖を試したりしていた。




「屋台をやろう!」


生産活動を続けたある日クランの女の子がそう宣言した。

彼女は孤児院を出てクランに所属しているが冒険者ギルドではなく商業ギルドに所属しているので屋台をやることは可能だ。


「せっかく皆で色々作ったんだから皆で売ろう!」


話を聞くにどうやら生産しすぎで色々と物が増えすぎたらしい。

鍛治組は剣やナイフ、各種鍋

木工組に孤児院組は沢山の食器や簡素な家具

調薬組は各種薬に魔法薬

裁縫組は服や革製品

料理組は新作スープ

まぁ、料理組のは余ってるわけではないのだが孤児院の子達は皆美味しい美味しいいうので味の判断がつかないらしい。



どうやら生産組には話が通っているらしく皆やる気になっているらしい。

商業ギルドの子はすでに営業許可を取ってきたようで、飲食の屋台と露店の許可の両方を取ってきたみたいだ。

鍛治組はスープ用の鍋を、木工組は屋台を、調薬組はスープ用の香辛料を、裁縫組は露店用の敷物や屋根用の布を、料理組はスープの仕込みをとそれぞれが動き出していた。



「ずいぶん孤児院から近いんだな」


「それはそうよ、大通りや広場なんかの人気のある場所は昔からの人や人気のある屋台が使ってるから私達みたいなのは端の端よ」


屋台の準備も終わり「いざ出陣!」と意気込んで来たが着いた場所は孤児院からそんなに離れていない人通りの少ない区画。

女の子がギルドに行き、屋台の申請をしたのだが人気の場所は昔から屋台をやってる人がずっと続けてたり大きな商店が独占しているらしい。それに出店料もそれなりにするらしくやれる所がこんな所しかないらしい。


「とりあえず準備を始めましょ! いつまでたっても開店出来ないわよ!」


商人の女の子の掛け声に皆が動き出す。

今日はクランメンバー総出で来ている。初めての屋台で何があるかわからないから人手だけは多く集めたのだ。

孤児院から運んだ屋台でスープを温めだす。一応大鍋で二つ、孤児院に一つ用意した。足りなくなったら冒険者組が取りに行く事になっている。


露店の商品は本当に多種多様だ。というかまとまりがない。何のお店かと聞かれても答えられないだろう。この中から売れ筋商品を見つけ増産することになる予定だ。まぁ、お客さんが来ればの話なんだけど……。


「皆、準備は良い? じゃあ、屋台始めるわよ!」


時刻はお昼前、いよいよ俺達の屋台が開店する。

【HJネット小説大賞2018】受賞しました。

2019年この作品が本になります!

応援宜しくお願いします!

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