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「ゴブッ!」


リンちゃんから放たれた風の刃はゴブリンを切り裂きトドメをさした。


「リンちゃんお疲れ」


「ゴブッ」


今日はおじいさん達の家でリンちゃんと木工や鍛冶、裁縫などをしている人、したい人のレベル上げをしている。

レベル10の恩恵もあるけれど、護身程度は身に付けないと何かと危ない世の中だからね。その為に今日レベル上げをしている皆の武器はナイフや木の棒等の町中でも持てる武器が多い。


そして、リンちゃんに至っては魔法で攻撃出来るようになっていた。

これは回復魔法を覚えられたなら他のもいけるかな?と色々な属性魔力をリンちゃんに流してみた結果、上手くいき無事に魔法を覚えられたのだ。

ゴブリンメイジではなく、ただのゴブリンなのにこんなに魔法を覚えて良いのかと思うが覚えられたのでラッキーと思っておこう。



「みな順調に成長しとるようじゃな。」


ゴブリン退治を順番にしていると、おじいさんが近づいてきた。そろそろおじいさんが連れてきたゴブリンが終わりそうなのでこちらへ来たようだ。


「冒険者になるわけではないのでほどほどにですけどね。」


「それでもゴブリンを倒せるんじゃ、問題なかろう。それよりゴブリンの嬢ちゃんに杖は持たせんのか?」


「杖…ですか?」


「うむ、ゴブリンの嬢ちゃんは魔法で戦うんじゃろ?せっかく武器を持てるモンスターなのに使わんのはもったいないじゃろ!」


確かに魔法使いといったら杖をイメージする。

町の冒険者の魔法使いっぽい人達も杖を持ってたし、ゴブリンメイジも杖を持っていた。

しかし、俺は杖が無い状態が普通で、特に困っていないし、孤児院の魔法を覚えた人達も魔法を主体で戦わないので特に気にしてなかったなぁ。


「でも、杖なんて必要なんですか?そもそもおじいさんも使ってないし…。」


「儂らは必要無いじゃろ。元々の威力が違う、杖があっても誤差の範囲じゃ。じゃがおぬしらなら色々便利じゃぞ。」



詳しく話を聞くと、杖の性能によるが魔法が使いやすくなったり、消費魔力が少なくなったり、魔法の効果、威力が上がったりするらしい。

便利ではあるが魔法を使うのがほとんど俺だけだったので今まで言わなかったらしい。

だが、新しく魔法使いであるリンちゃんが現れたので教えてくれたらしい。


「じゃあゴブリンメイジが持ってた杖使えますかね?」


「どれ、見せてみろ」


俺はアイテムボックスに入れていた比較的綺麗な杖を取り出しておじいさんに渡した。


「ふむ………これはダメじゃな!」


おじいさんは杖を少し見たあと俺に投げ返した。


「おぬしも良く見てみろ。」


と言われ、杖をじっくりと観察した。

杖は特に使わないし、剣や鎧の鉄製品と違い再利用も出来ないのでただ取っていただけで今まで確認してなかったな。


良く見るとゴブリンは杖として使っていたが、葉や細かい枝の無い木の枝だった。

まぁ杖と言えなくはないかな?


「これ、ただの木の枝ですね。」


「うむ、ただの木ではなくトレントの枝ではあるが杖ではないな。」


「トレント…ですか?」


ファンタジー物に良く出る木の魔物トレント。

鑑定で調べると確かに【トレントの枝】と出てきた。


「トレントは杖の素材としては問題ないが、これは落ちてたのでも拾ったんじゃろ、品質が良くない。ゴブリンメイジは魔法を使えるからのう、魔力を感じて落ちてるのでも拾ったんじゃろ。」


おじいさん曰くトレントは木材として優秀で杖や弓、建築素材として人気らしい。理由としては魔鉄と同じく魔法がかかりやすいためらしい。

トレントは魔力の多い森にいるためここにも多く生息しているらしい。

俺達が気付かなかったのは森の浅い所で行動することが多かったからだそうだ。洞窟位まで行くと出てくるらしい。


「杖を作るならトレントを狩りに行くか?」


おじいさんに言われ考える。

魔鉄でも杖は作れるがトレントであれば弓の強化も出来る。それにトレントも見たことがないのでおじいさんがいてくれるのは心強い。


「そうですね、行きましょうか。」


こうして今度はトレントを探しに森へ行くことになった。

【HJネット小説大賞2018】受賞しました。

2019年書籍化決定です。

応援宜しくお願いします!

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