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朝になり身体中の痛みと共に起きた。
「あいたたた…」
最近は毛皮を敷いて寝ていたが、今回は地面に寝たので身体を痛めているようだ。
まぁ、昔はこんな感じだったので懐かしくもあるのだが。
それに、ここは地面も多少柔らかく草も生えているので、まだマシだろう。これで地面が堅かったら最悪だ。
「おにいちゃん、おはよう…」
「おはよう…。」
隣で寝ていた妹ちゃんとサクヤちゃんが起きたようだが、二人も身体が痛いようだ。
俺は、自分と二人を魔法で癒したところでおばあさんがテントにいないことに気付いた。
おばあさんを探そうと外を見ると、かまどで朝のスープを作っているところだった。
俺は二人をつれてテントを出た。
「おはようございます。」
「おはよう!」
「おはよう…。」
「はい、おはよう。」
「おばあさん、身体の方は大丈夫ですか?」
「えぇ、これくらい平気よ。」
とは言うものの、心配なので一応回復魔法をかけておいた。
「ありがとうね」
「これくらいどうってことないですよ。しかし、毎回これだと野営も辛いですね。」
「そうね、でも歩きの旅だとこれが普通よ。馬車の旅だと荷物を多く運べるから毛皮を持ち込む人もいるのだけどねぇ。」
「なるほど、となると基本はあれに慣れるしかないのかな?」
「最初のうちはそうなるだろうね。」
「二人はあれで寝るの大丈夫?」
「やだ~」「いや…。」
「だよね~」
う~ん、大きくなったら大丈夫になるかなぁ?
それとも出来るだけ馬車の護衛依頼を受けるようにするか…。
まぁ、俺と一緒に旅するならアイテムボックスがあるから平気かな?
まぁ、まだ何年も先の話だけどね。
俺達はパンとスープの朝食を済ませ、従魔達の世話から開始した。
クイーン達を含む小屋にいる従魔に餌をやり、厩舎の掃除。お昼ご飯を挟みながら畑仕事をした。
俺達が畑仕事をしている間、クイーン達は分担して森と川へ獲物を獲りに向かった。
森の獲物は変わらないが、川で魚を捕れるようになったのは嬉しい。水棲系のモンスターもいるらしいが、ここら辺の川にはいないようなので安心したが、従魔を作れないのはちょっと残念だ。
だが、あまりこちら側に人が来ないので川魚を大量に捕れるので最近は干物作りも始めていた………シャルちゃんが。
仕事を終え、また野営の支度を始める。と言ってもテントは建っているので食事の支度だけだが。
メニューは昨日と同じものに焼き魚が加わった。
肉食の従魔達はやっぱり肉の方が好きみたいだが、おばあさん達も従魔達も焼き魚は喜ばれた。
美味しい事は美味しいが同じスープが何日も続くと飽きがくるかもしれないな。これも何か考えてもらおう!………シャルちゃんに。
することも無くなったので寝ようかという頃
「おにいちゃん、またあそこでねるの?」
「お家で寝たい…。」
妹ちゃんとサクヤちゃんが俺に言ってきた。どうやら地面に寝るのが辛いらしい。
野営の練習としてテントで寝てるが無理に寝る必要はないか。
「じゃあ毛皮を敷いて寝ようか」
「あい!」「うん。」
アイテムボックスから毛皮を取り出しテントに敷き詰めた。
毛皮を敷くと固さは和らぎなんとか寝られそうだ。
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
「はい、おやすみ。」
次の日は毛皮を敷いたおかげか身体が痛くなることもなく、昨日と同じように朝ごはんを食べた後従魔の世話と畑仕事を始めた。
そして、お昼が近づき昼食の用意をしているとおじいさん達野営組が小屋へ帰ってきた。




