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孤児院に戻った俺はのんびりとした日々をすごした。

孤児院のお手伝いをし、畑の馬鈴薯の世話をし、妹ちゃんと遊ぶ。

馬鈴薯は今週も新しいのを植えてみた。毎日魔力を流してるからか、先週植えた奴はもう芽が出ている。

他の子供達も毎日見ていてちょっとした雑草もすぐに抜くので芽が出た時は院長先生もあわてて注意したらしい。



ただ、妹ちゃんと遊んでいると奇妙な行動をするようになった。妹ちゃんがなんでもかんでも匂いを嗅いでいるのだ。


「何してるの?」と聞いても


「においをかいでるにょ」


としか言わない。

そういえば薬屋や錬金術師の所でも匂いを嗅ぎまくってたな…。マタタビみたいな匂いでもあったかな?




そんなこんなで1週間がたち、また果物が無くなり子供達の視線を集め始めたので採取に行くことにした。



そして、当日事件は起こった。


「きょうはあたちもいっしょにいくにょ」


妹ちゃんが泣かなかった代わりに一緒に採取に行くと言い出したのだ。いつの間に用意したのかリュックまで背負っている。出掛ける気満々である。


これには俺も院長先生も困ってしまった。

前回なら俺が行った後は孤児院で泣いているだけだったが、これはあきらかに俺が行った後に強引にでもついてくるだろう。

俺という例外があるため、危ないから、小さいからダメと言うのも無理だ。

俺は院長先生を見るとため息をつきながら、


「竜の森はモンスターの出る危険な所です。どうしても行きたいなら、シュウの言うことを聞かないといけません。出来ますか?」


と、妹ちゃんに確認していた。


「できうー♪」


なんとも心配だ。院長先生は俺の方に振り向き


「シュウ、ちゃんと守ってあげるのよ?」


と、真剣な目で言った。


「うん!」


と、こちらも真剣な目で答えた。が、目の端に見えるご機嫌な妹ちゃんの尻尾がフリフリしていて気になってしょうがなかった…。


妹ちゃんが一緒に行くことになったので荷物を整理することにした。と言っても、妹ちゃんのリュックの確認だ。

開けてみると、スコップや木の棒、砂等が入っていた。微妙に何か違うな…。

中身を全部出して、代わりに水筒と黒パンを一つ入れておいた。


そして、俺達は手を繋いで出発した。


いつもの道を二人で歩き馬車が来たら隠れるを繰り返し、妹ちゃんがいたので休憩を多くとった。

そういえばと思い妹ちゃんのステータスを確認したら、驚いた。

なんと、レベルが2になっていたのだ。

俺だってまだレベル1なのに…。

えっ、なんでだ!?

やっぱり普段運動してないからか?

明日から走ろうかなぁ~

と考えながら俺達は竜の森にたどり着いた。



森に着いた俺達は休憩し、今日の予定を考えた。

本来なら、前回前々回と森の入口に向かって右側を調べていたから今日は左側を調べようと思っていた。何も見つからなかった時の為にアイテムボックスに果物を用意もしていた。

だが、今日は妹ちゃんがいるので、行った事がない場所は危ないかもしれない。そうなるといつもと同じ所を回るのが正解かな。



ということで、今日は右側を行くことにした。


「今日はあっちの方で果物を取りに行くよ!!」


「あい!!」


休憩を終了した俺達は右側に向けて歩き出した。












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