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薬屋を後にした俺達は錬金術師の店に向かった。
竜の森から採ってきた薬草やキノコで錬金術師の方で買い取る物があったらしい。そちらの方が高く買い取って貰えるらしいのでちょっと嬉しい。
錬金術師の店とは魔法薬や魔道具などを取り扱ってる店だ。
魔法薬とは普通の薬と違い、作るのに魔法や特別な技術が必要らしい。その為魔法薬の値段は効力によって違うが総じて高いらしい。その分、効き目は高く即効性があるらしい。
冒険者や兵隊達には必需品のようだ。
また、魔道具も同様に魔法や特別な技術が必要な道具だ。使うのに魔力を必要とするため、自前の魔力か魔核が必要になり、買うときだけでなく使用中もお金がかかるのである。
この町は竜の森のおかげでモンスターを狩る冒険者が多く魔核が多く流通しているので、他の町よりは安くなってるらしい。
ちなみに魔核とはモンスターの中にある魔力の結晶であり、電池のような使われ方をする。
薬屋から少し歩いたら目的地に到着した。作ってる物からして、怪しい魔女のような人を想像してたので、壁一面に蔦の生えたような家を想像したのに、実際はこざっぱりした清潔感のある店だった。
中に入ると
「ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ、よく来たのぅ」
(キターーーーー!!)
テンプレ通りの魔女がいた。
「にゃ゛ー」
妹ちゃんが驚いてちょっと涙目になった。
「おや、シャルのお嬢ちゃんかい。今日はどうしたんじゃ?」
「お久しぶりです。あの、今日は素材を買い取って貰いたくて…」
「素材じゃと?どこから手に入れたんじゃ?まぁ、とりあえず見せてみい」
「えっと、ちょっとした伝で…。よろしくお願いします」
そう言ってシャルちゃんはカバンから荷物を取り出した。
そうして、薬草、キノコを査定してもらった。
査定の結果、買い取ってもらえるようだった。
薬屋と同じく竜の森で採れる物を教えてもらえるように頼んだ。
怪しまれたが教えてくれた。
「そうじゃな、今日持ってきた物を見るに森の浅い所で採取したようじゃな。この辺りだと他には…」
そう言って、教えて貰ったのは草、木、キノコ、果実、花、と多岐にわたった。
なんでも、竜の森のように魔力の濃い所の素材は錬金術の素材になりやすいそうだ。
また、モンスターの素材についても聞いたが森の浅い所のモンスターの素材は冒険者のおかげで供給過多により買取りはほとんどしてないらしい。
モンスターの素材は強いほど高く売れるらしい。
他にもここでは買い取らないが運が良ければ鉱石なども手に入るらしい。森の奥には魔力を帯びた鉱石もあり、冒険者の装備の素材として高値で取引されているらしい。
色々教わり帰ろうとしたら
「気を付けて行くんじゃぞ!!」
と言われた。俺が行ってるとバレたのだろうか?
その後買取りを済ませた俺達は、八百屋や肉屋、パン屋などで買い物をした。
今日は臨時収入があったので、小麦粉や塩などの保存出来る物を多めに買えた。
シャルちゃんに欲しいものはないかと聞かれた。臨時収入は俺のおかげだから、何かを買ってくれるらしい。特に欲しいものは無かったが、麻袋や紐を少し買ってもらった。採取するときにあると便利だからね。
そうして、買い物を終えた俺達は沢山の荷物を持って孤児院に帰ったのであった。
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