プロローグ 守護者召喚
月明かりの中少女は踊る。
よく見ると少女が踊るたびに足元に何かがかかれ光が満ちる。
円を書くように踊る少女、もしこの光景を見た人が居るなら目を奪われるだろう華麗な舞。
暫くすると少女は踊り終わり地面が強く発光する。
手ごたえを感じたのか少女の勝気な目が爛々と輝く。
少女はそのまま円の中心に行き大きく息を吸い込む。
自身を落ち着かせるために。
そして
「我が名はルシアーナ・ヴァーミリオン 我が守護者よ 我が呼びかけに応え我が前に姿を現せ!」
綺麗な声が夜空に響く
少女は声を上げながら自身のマナを円に注ぐ。
円はマナを注がれるとグルグル廻る
円は廻り浮かびそれに呼応するように空に何かが浮かぶ。
ゴゴゴゴゴゴ
それはまるで門のように真ん中で2つに割れ真っ黒な闇のような内面をのぞかせる
一体何処に通じてるのか。それとも何処にも通じてないのか。
暫くするとパキィーーーンと甲高い音がして上空の門のようなものが割れる
「そ、そんな…」
少女は愕然としている。何かに失敗したかのような泣きそうな顔になっている。
少女がへたり込み地面をバンバン叩いていると
ドサッ
と何かが落ちてきた。それはあまり見ない服装の男だった。
「うーん…」
男は意識が無いのか唸っている。顔色が悪くないため怪我などはしてなさそうだ。
「も、もしかして…これが私の守護者…うそでしょう」
少女は男をまじまじと見て頭を抱える。予想と外れた結果になったようだ。
「と、とりあえずココに放置も出来ないし一旦家に帰るしかないわね」
そういうと少女は男を引き摺るようにして町に戻って行った。
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その日、衛はくたくたで帰宅した。
衛がアルバイトをしている居酒屋は何時もは暇だが年末年始や祭りのときなど
書入れ時になると当たり前だが忙しくなり仕込やら片づけで夜遅くまで残業が発生することがある。
「疲れたぁ 風呂入ったし今日はもう寝るか」
お風呂に入ってさっぱりした衛は髪を乾かしそのまま布団にもぐりこむ。
仕事の疲れもあり、すぐにうとうとし始める。
そうして衛がうとうとしていると不意に声が聞こえてくる。
『・・・名はルシア・・・我が守護・・・が前に姿を現せ!』
その声はなんだか妹に似ていて、不意に衛は応えてしまう。
「わかったよ・・・今日は眠いからまたあし」
【召喚対象の意思を確認】
【召喚システム起動 ・・・ 言語翻訳システム起動 ・・・ 】
【英雄召喚正常起動完了】
衛が応えるとまるで機械音声のような声が聞こえる。
声と共に衛の足元(寝ているから体の下だが)に魔法陣が広がっていく。
そしてピカッ!と眩しく光ったかと思うと衛の体はその場から消えていた。
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