夜の訪問者
こんばんは~。
KURAです。
また遅くなってしまったのでアバドンさんは寝てます。
起こしたら絶対殴られるので。
痛いのは嫌いなんですよ。
あ、今回超絶長い発言があるのでめんどくさーい!って方は長い発言があったら律儀に読まなくても結構ですよー。発言の内容を纏めて後書きに書いときますんで。
「リベライトだ。君に話があって会いに来た」
自室で起きたブラックやエマと談笑している所で、リベライトが訪ねてきた。
「ふむ、入っていいぞ」
「失礼する」
「そこらへんの椅子にでも座ってくれ」
二人しか座る人が居ないものだから3つは椅子が残っている。
何故そんなに椅子を置いたのかは謎だが。
「で、話ってなんだい?」
「俺の悩みの事だ」
「ほう? 話してくれるのか?」
「…………はっきり言う。俺は貴様が嫌いだ。なんと言おうと嫌いだ。だが、貴様には答えられそうだったのだ。俺の悩みが」
「はいはい。俺も嫌いだよ。てめーのことなんざ。で、前置きはいいからさっさと話せ」
足を組んで大威張りの体勢で『聞いてやっている』という姿勢を示す。
「やはり君とは相容れないようだ。さて、本題だがこの国をどう思う」
「…………おいおい、いきなりぶっこむなぁ? 俺は別の世界の住人だし、ここ以外の世界を見てみないとわかんねぇが、俺は王を悪いやつとは思えない。だけど貴族は思えるんだなぁこれが」
王達と一緒に居る貴族を一回見たことがある。
俺が見たのは目だ。
あの目は見たことがあった。
それも前の世界で。
それは政治家だ。
それも、見た一年後に汚職が発覚した。
「そして、王達になぁ、芯があるとは思えねぇんだよなぁ」
王達の目はあれだ。いじめっ子の周りに居る、流されていじめてる子供。
少なくとも、独裁者ではなかった。
「さて、今度はこちらから問おう。君はどう思う」
「……俺は教会が、神が、王が、国が、正しいと思っていた。信じていた。けれどそれは違ったのかもしれない。俺は孤児院出身でな。しかも明日食う飯にも困るほど貧困だった。なに、それは珍しいことではなかったんだ。この国ではな。そして、力を着けて、ギルドで功績を挙げた。全てはこの国が豊かになって俺のような孤児を作らず、明日食うのにも困る奴を無くすためだった。あの頃はつらかったからな。けれど城に来たらどうだ? 豪華な食事、豪華な部屋、豪華な廊下、そして厨房から出るゴミを見たことはあるか? 無いだろう。コッソリいかないと見れないからな。俺は見てきた、何だアレは、俺がいた孤児院が1ヶ月は生きれるぞ。そして貴族達のあの! 腹は何なんだ! どこから来たんだよ! そして、この城には噂があった。夜な夜な女が消えるってな。本当だった。貴族の部屋に消えていったんだよ。俺は何も信じれなくなって教会に行ったんだよ。主よ、どうすればよいのでしょうか、何を信じればよいのでしょうか。ってなぁ! 勿論シスターにも会ってきたよ。昨夜この城で見たんだ。暗い表情だと思うだろ? ところがどっこい、笑ってたんだよ。まるでこれが常識、これが普通なんだって風に。神父にも会いに行ったんだ。シスターが特別なんだ、主の教えに背いたシスターなんだって自分を信じ込ませて主に相談しに教会に行った時にな。そしたらどうだったと思う? 奥から女が出てくんだよ。普通だったらシスターだと思うだろ? それが俺には信じられなかった。だから忍び込んでみたんだ。勿論心の中で主に詫びながらな。そしたら地下で植物が育てられてたんだ。わざわざ魔法まで使ってな。家庭菜園にしては魔法まで使うか? 普通は無いだろう? そこから奥に行ってみたんだ。いたんだよ。女が。しかも正気じゃない。いや、正気じゃないのは教会だ、神父なんだ。その女達はな、粉を貰うと、狂ったように吸ってたんだ。そこでわかったよ。俺だってスラムに行ったことくらいはある。勿論他の国のな。何故かここは無いからな! 王の政治のおかげとおもっていたさ。あぁ、話がずれた。そのスラムで聞いたんだよ。悪魔の粉の存在を。いや、俺に教えてくれた商人は悪魔以上にたちが悪い代物だって言っていたな。女達の様子を見てピーンときたよ。悪魔の粉だって。そこでやっと悟ったんだ。この国も教会も腐ってる。普通ありえないだろう? なんで教会の地下にそんか代物があるんだよ? まぁ、その時は信じられなくてもっと探ってみたんだがな。粉の原料まで育ててたんだよ。気づくだろ? あの魔法で育てられていた植物だよ。気が狂いそうになったよ。そして神父に話を聞きに行こうとしたんだ、朝だったからな、神父は教会の一般の人がいるところには居なかった。探したんだ。そしたら神父の部屋を見つけた。聞こえたんだよ。女の声が。悲鳴だったら心が折れかけてた俺も助けに入ったかな。女の声が快楽に染まっていなかったら。これはたった四日間のことなんだよ。早いだろ? まるで業火の中で生活しているようだったよ。あぁ、違った。元から俺は業火の上で生活していたんだ。地下が燃えていて、上の俺のいる部屋まで燃え移って来たんだな。下の部屋にも誰か居たのかなぁ!? 俺みたいにこの国の真実を知って苦悩した住人がさぁ!? なぁ勇者。勇気ある者なんだろ? 俺にはもう勇気は無いよ。俺の勇気の芯が折れちまった」
「……話が長い。まぁ、俺からしてみると確かに腐ってる。こんな王が視野が狭いのか傀儡となってんのか知らんがこんな国がよく続いてるなぁ」
「はい。何となく嫌な国とは思ってましたが、ここまでとは……」
《まじかよ。人間のほうがよっぽど悪魔してるなぁ》
あ、エマ! お前欲望に忠実なやつ好きなんだろ!?
そいつんとこ行ってこい。そして帰ってくるな。
《なわけないでしょう!? 下半身に脳が転移してる奴が面白いわけないでしょう!?》
「話が長い……か。1日くらいしか一緒に居ないがお前らしいと自然に思ったよ。俺は二日後ここを出る。俺の幼馴染がこの事実を知る前に一緒に出ていくよ」
「へぇリュウナか?」
「あぁ」
「そうか。奇遇だなぁ? 俺も出ようと思ってたんだよ」
「……は?」
「だからさぁ、この国脱出に手を貸すからさぁ、俺らもつれてけ。なぁんかいけすかねぇ男だと思ってるがなかなか面白いなぁ。お前」
「べ、別に良いが……。力が大きいほうが脱出できる確率は大きくなるだろうし。けど、俺はもう貴族に目を付けられている。だから少し脱出の難易度は上がっているぞ」
「おーけー、その代わりに今日出発だ」
「いいのか? 準備とかは」
「おぉい! リョウカァ! 聞いたかぁ! 準備できてるかぁ!?」
扉に向かって叫ぶ。
そして勢いよく扉は開かれた。
「できてるよぉ!」
「リョウカ!?」
だってこいつ盗み聞きしてたし。
さて、あと一人のくせ者も呼ぶか。
「さて、お前も出てきたら?」
天井に向かって話す。
「……ワオ。ばれてたのかよ。オッサンこれでも自信あったんだがなぁ」
「はっ、ヘクトさぁ、リベの話の時一瞬声出したろ。そりゃ気づくっつの」
「次から気を付けますよっと」
「さぁて! ヘクトもどうせ行くんだろ!? リべはとりあえずリュウナの説得してこいや! ヘクトは行くなら準備してこい」
「……わかったよ。俺もいけすかねぇ奴と思ってたけど、嫌いって言ったけど撤回してやるよ。なかなか面白い奴じゃねぇか」
「でしょう? カイトほど面白い人はなかなかいませんよ。だから私ついていってるわけですしぃ?」
「はいはい。ま、オッサンが持っていく物なんてタバコと金くらいかなぁ?」
そしてリョウカ、リベ、ヘクトは部屋から出ていった。詳しくはリョウカは扉に張り付いてたのをやめて自分の部屋に行って、ヘクトは屋根裏に居て、そして俺の部屋の屋根裏から頭を出して話した後屋根裏から出ていき、リベが扉から出ていっただけどな。
普通に扉から出ていったのが一人だけってどういうことだよ。
「貴方台風の目になりそうですねぇ~」
「俺が騒動の中心になるって? めんどくせぇ~……」
《じゃあ何でお前は進んで騒動の中心になっていくんだよ……》
なってねぇよ!?
「エマは転移か何か使えるか?」
「使えますよ~。どうせこの国の外に転移しろっていうことでしょう? わかりましたよ~。あんまり疲れるから使いたくないんですからねぇ~」
「恩にきるよ」
一時間ほど、たつと全員揃った。
リベだけ、手形に頬を赤くして。
「で、一番遅かったリベよ。なんでそんな手形に頬が赤くなってんの?」
「いやぁ……事情説明せず俺を信じろって言ったらビンタされた代わりに信じてくれてな……」
「ふん! 事情説明せずに言うんだからそれの代償よ!」
「くははは! そうだな。もう一発くらいもらっとけよ」
「……そうね」
「ちょ、それは勘弁!」
笑いに包まれる。
くははは、これから亡命する奴らとは思えないな。
「さて、エマ。頼む」
「は~い。転移魔法を使いますので。皆様驚かないでくださいねぇ~。……って言っても無理でしょうが」
「オッサンでも転移魔法は初めて見るなぁ」
「転移……なんか聞いたことあるような」
「転移!? そんな伝説級の技を使えるの!?」
「くははは! 驚いてるなぁ。ま、楽に出れるんだ。それにこしたことはないだろう?」
「でっはいっきまぁ~す!」
そして俺達の存在はこの国から消え去った。
ま、国から一キロくらい離れた平原に行っただけだがな。
え~っとリベライト・アスターマン君の超絶長い話をまとめると~、『この国はどうしようもなく腐っていてくずだ!』って感じです。
さて、4時くらいには寝ますかね。
買い物に着いていかなくてはならないので10時前には起きなくてはならないので。
あ、ちなみにサイガがくるのはあと3日です。
では、皆様。
オ・ルヴォワール!




