俺の人生は可笑しい
俺の名前は 五十嵐 将也 ハッキリ言ってビビりだ、ものスゲー怖がりだ。
不良とか見たらビビッて震えるし、泣きそうにもなる。つーか、不良とか人間じゃない未知なる生物……って思ってんだが……
「将軍!!おはようございます!」「聞いたっすよ!昨日、高坂高校をつぶしたって!?」「スッゲー!流石俺たちの将軍だ!!」
何故か俺は不良のトップにされてます。マジ助けて。
「そんなに騒ぐな、たいしたことじゃねー」
いや、本当に対したことじゃない。
昨日の夜、何十人という不良さんがやってきて、ビビりの俺は勿論戦う勇気なんか持たない。
普段、俺を守ってくれる不良さんたちは居ない。ヤベーな人生マジ詰んだな状態。
なので当然の反応としてすぐさま謝ろうと頭を勢いよく下げたら……
「まさかヘッドバットをお見舞いして一発KOとかマジヤベー!」「聞いた瞬間に鳥肌たったぜ!!」
そう、まさかの目の前に不良のトップさんがいたのだ。気付けよ俺。
そしてビビりなくせに無駄に丈夫な体をもった俺はそのまま相手を倒してしまい、周りは降伏したのだ。
「流石俺たちの将軍だ!!カッケェ!!」「一生ついていきやす!」
……この光景をみると本当に心臓が痛みだす。
因みに俺が何故、将軍と呼ばれているのかというと、俺の名前が将軍のように強き男になれという意味で 将也になったと教えたところ何故か俺のあだ名が将軍となった。
そして若者のチームということで歴史に同じようなものがあったな……で白虎隊になった。
おいまて皆、白虎隊は悲運な最後をとげているんだぞ、分かっているのか?最後は勘違いで死んでいるんだぞ!!
しかしながらチキンな俺は止めることも出来ずにそのまま放置した。
そして放置しまくった結果……白虎隊はヤバイ位に勢力拡大しちまった。なんだこりゃ……この世は糞ゲーかよ。
しかし、俺はそれでもノーが言えないヘタレチキン。仕方無いと諦め……
「将軍!!!」
溜り場にしてる廃墟に大声が響きわたる、どうやら切羽詰っているようだ……え、なに?マジ怖い。
「どうした?俺に踏まれてーのか?」
取り合えず冗談めかして空気を変えようとする。今の笑えるよね?
あ、シーンとなった。ごめんなさい、笑えないよね。
「将軍!だったら俺も踏んでください!」「テメー!抜け駆けすんな!」
気を使わせてしまったようだ、ごめんなさい。
「それは、次の機会に是非!!…じゃねーや!……実は…揉め事を起こしちまって…」
唇をかみ締めて悔しそうに言う。よく見れば結構ボロボロだ。
「将軍のことを悪くいう奴らがいて……将軍は貧弱だとか…ただのビビりだとか言われて…」
うん、その通りです。その人達が完璧に正論です。
「それで俺たち……ついそいつら等を殴って…でも…そいつら…」
え?誰なの?どこのチームなの?土下座したら許してくれるかな?ヤバイよ怖いよどうしよう……
よし、まずは謝りに行こう!!ごめんなさいって言えば話は通じる!
「どこのやつなんだ?」
「それは……」
「俺たちの組に手を出したんだよ」
喋りだそうとした彼の言葉を遮り、渋い声が廃墟内に響き渡る……え?だれ?この人…
多分30代後半か40代前半辺りで、髪をオールバックにしており、傷がついた顔は虎を思い浮かべる、大人な男性であり、葉巻とか美女を侍らせる図が似合いそうな人だ。
「あいつは…」「赤城!?なんで……」「あの…桜義組の…」「桜義組ってあの?日本最大の…」
えぇっと…ヤクザのかた?
すまないが、俺は不良のトップにされている癖に実は全然、裏社会をしらない。というか知る意味すら分からない。
だが、雰囲気と組とかついている時点でヤクザだ……ってぇぇええ!!この子ヤーさんに手を出したの!?
「お前が白虎隊の頭か?」
「そんなところだ」
そう言った瞬間、ガチャリと何か黒い物体をだしてきた……銃だ。
……さて、遺書を書こうか。
どこかにペンと紙は…っと
「おい、何を余所見してんだ」
バン!!何かが発砲した音が聞こえた。頼む、遺書ぐらい書かせて。
「ちょっと邪魔」
遺書かかせてよ。面倒くさいな…
「ほぉ…度胸だけは一人前だな」
いや違うよ?これは人生を諦めた感じのヤケクソだから。
「じゃあ選ばせてやるよ……」
「それはどんだけ不利な内容なんだ?」
どうせアレでしょ?眉間をぶち抜くのと、一億円どっちがいい?みたいなんでしょ?
「っフ……そんなに身構えんなよ。何、簡単なことさ……お前の腕と足に一発ずつ入れんのと……
そこにいるお前の舎弟に一発ずつ入れるのどっちがいい?」
拳銃をこっちにむけた後、周りに向けた。
「将軍!!考える必要もありません!」「そうです!そのオッサンに言えばいい!」「そうだ!そんなの答えは決まってる!」
口々にそういう皆。
そうだよね、よく考えれば妥当だし、これは思ったよりも不利な条件じゃない。
元々俺は不良になりたくてなっている訳ではないし、これはいい機会だ……というかこんなの悩む価値もないよね。
「ほらよ」
俺は両手をヤクザさんに突き出した。
「これはなんだ?」
「いや、腕をまず撃たなきゃでしょ?」
何を当たり前のことを
「おい、舎弟をだせばそんな痛い思いもせずに済むんだぞ?庇っているつもりか?」
嫌々、そもそもね…
「舎弟とやらが俺にいるんだったら直にでも渡して思いっきり逃げるさ…でもそんなの存在しないんだからしょうがないでしょう」
「じゃあ、こいつ等はなんなんだ?」
「俺の友達」
俺はヤクザさんにそういいきった。
「将軍…」「将軍…」「すまねぇ…」
どうだ、今まで何故か皆に避けられまくり、ずっとボッチだった俺に出来た初めての友達だ!!
今まで何故か皆に嫌われるばっかだったんだぞ!畜生!
友達にそんな痛い思いさせてたまるか!
「クククッ……アハハハ!!!こいつはいいや!」
いきなりヤクザさんは笑い出し始めた。
「お前スッゲー面白ぇな。ビンゴだ」
え、なに?怖いよ。ビンゴゲーム?
そのまま腹をかかえて大笑いした後、俺にむかってこう言い出した。
目をギラギラさせ、まるで獲物を見据えるような感じだ。めっちゃ怖い。
「お前、ウチの桜義組に入れよ」
……お父さん、お母さん
俺の人生は絶対に可笑しいです。
連載にしようかな?と悩んでいる作品の一つです!!
主人公はヘタレでビビりだけど感覚可笑しいので度胸あると思われでます。主人公は基本的に内心を言わないので勘違いされまくりです。
顔は強面でも優しげでもいい。
よかったら感想下さい!今後の参考にします!