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変調
月子は結姫が元気になり、華姫も戻ってきたのがとても嬉しかった
また以前のような活気がある宮に戻って、何の心配もなく、姫たちの会話を聞いていたいと思った
けれど華姫が戻った次の問診で、結姫と千姫が「何だかだるいです」と訴えた
季節の変わり目による風邪かとも思ったが、二人は何かが違う気がすると首を振る
華姫はもしかして、と月子にだけ耳打ちをする
「ご懐妊かもしれませんわ。微熱と、風邪のようなだるさが私にもありましたもの」
月子は色めき立っている華姫に、静かに首を振る
「それは、先生がお決めになることですわ」
そして、二人は先生に診てもらうから、華姫は帰って良いと言った
「とにかく、診てもらいましょう」と、月子は二人を順番に診察室へ案内する
月子は言われるままに触診をし、イサオは何とも言えないように首を振った
「少々貧血気味ですので、そこから来るだるさかもしれません。あとは何か最近使い始めたものがあれば、肌に合っていない可能性も…」
結姫と千姫は、取った方がいい食材の端書きを貰い、「何か、思い当たるものがあれば止めてみます」と言った