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大人月姫

月子は嬉しかったのか、思わずといった風に結姫が元気になったことをマツバに話した


今は夕食の席で、お付きの二人も控えている


月子は話してから、「あ…」と箸を持ったまま口元を抑えたが、少し考えてまた口を開く


「寒いとどうしても、心も冷えてしまうみたいですわ」


「そうだね」


マツバは頷いて、茶を含んだ


月子はただ嬉しそうで何も気付いていないが、マツバは二人が和解したのだなと思った


そして改めて月子を眺めると、本当に綺麗になったと思う


月子は着飾るのは好きじゃないみたいだが、はなは着飾らせたくてたまらないらしい


そのせめぎ合いで、他の姫たちに会うときにはいつもより良い匂いがしたし、月子に似合う着物が吟味され、顔も化粧のせいで大人びて見えた


出仕する日には二人の問答は聞けないが、たまたま休みだと、はなはマツバにあれこれ好みを聞いてきて、それも楽しいと思っていた


そしてはなはマツバの好みを良く理解して、清楚で控えめながら、月子の白い首元や腕が映えるように仕立てあげる


マツバはそれを見るたび、嬉しい気持ちと同時に言葉に出来ない複雑な気持ちも沸いてきた


着飾ってほしいけれど、着飾ってほしくないような、そんな不思議な気持ちがマツバの中にはあった

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