出会い
私は一児の母。
未婚でシングルマザーの道を3年前に選んだ。
とても幸せだ。
ずっと昔。これ以上の恋はしないだろうと思った恋。
もう会うことないだろうと思ってた。
私たちの出会いは小学校2年生だった。
「窓から飛び降りようとしてるらしい」
男子の声でみんな隣のクラスへ。
窓から身を乗り出してる子が見えた。
この子が後々私が恋をする相手。
佐藤 涼介 (さとう りょうすけ)だ。
あいつまたやってるわー。
男友達の飛鳥が隣で呟いた。
飛鳥「あいつ怒ると止まらないんだよなー」
私は心の中で関わりたくないなって思ってた。
涼介の気が落ち着き窓から離れたのを確認して教室に戻ろうとした時だった。
ドンッ
「いったいなー!」
私の背中を殴ってきたやつがいた。
飛鳥「ごめん。涼介に言われてやった(汗)」
「はっ!?話したこともないのに!?」
涼介の方を見るとこっちを見てた。
「なんなの!?まじで嫌い。あんたも言われた通り殴りに来るなんて最低。」
飛鳥「まじで悪かった。ごめん。」
「しらない!」
最低な出会いだった。
関わりたくないって思ってた矢先にこんな。
話したこともなく、存在すらこの飛び降りようとする事件がなかったら知らなかったかもしれない。
そこから私と涼介が関わる事はなかった。
私は涼介の存在さえも忘れていた。
小学校4年生になったときだった。
私と涼介は同じクラスになった。
飛鳥「また同じクラスだな!笑」
「よろしくね!笑」
相変わらず飛鳥とは仲が良くて、放課後も毎日遊んでいるくらいだ。
私に声をかけた後、飛鳥が向かった先には佐藤涼介がいた。
「ゆりちゃんあれ誰だっけ?」
ゆり「あれは佐藤涼介だよ!学年1モテてるよ?知らないの!?」
「え、知らない…笑」
ゆり「2年の時窓から飛び降りようとしたのも知らない?」
「え、あの時の?」
ゆりちゃんの言葉で2年の時の記憶が一気に戻ってきた。飛鳥に背中殴らせたやつだ。嫌い。
ゆり「ちなみに私も好きなんだ!」
「そうなんだー。上手くいくといいね!」
ゆり「ありがとう!」
はぁ。まじか…関わりたくなかったのになー。
しかも学年1モテててる!?
有り得ない。
私は心の中で叫んでた。
飛鳥「山田ーーー!一緒に話そうぜ!」
「え、あー。トイレ行って来る!」
そう言って私は逃げた。
新しいクラスになって1週間。
先生「最初の席替えをしようと思う。」
全員「わーーーい!」
席替えが行われた
…最悪。佐藤が隣になった。
佐藤「よろしく」
「あーうん。」
佐藤「山田凛だよな?」
「なんで私の名前?」
佐藤「飛鳥に聞いた!」
「あ、なるほど…(飛鳥のやつ!)」
これが彼との出会いで、初めて話した日。
最悪なイメージしか無かった彼に対して1歩引いて接してた。