14章、着替え
名前を間違っていたとの報告により修正しました
かなり寝ていたのだろか?
正直、かなり腹がへっている。
部屋を出ようとして、ふと気が付く。
セリーヌが当然のように腕をからめている。
まぁ、気持ちを伝え合って、恋人(というより婚約者?)になったのでと割り切ろうとしても、俺には彼女なんて出来たこと無い。
というより、俺は女の人とあまり触れ合ったこともない。
すごく今さらの様な気がするけれども、恥ずかしいものは恥ずかしいのである。
「ん?どうしたの?」
「いや、ちょっと恥ずかしいなと」
「なにが?」
「腕を組んでることが…かな」
「ショウはこういうこと、嫌?」
「そ、そんなことないけど」
それにセリーヌの胸が腕にあたってるんですよ…
「じゃあ、こうしててもいい?」
「あ、ああ」
『折れることは目に見えていたんだけどね!!』
………まあ、あわてなくなっただけでもいいとしよう。
で、部屋を出るとメイドの人が待機していた。
「ショウ様、姫様こちらです」
「あ、はい」
「それとパーティーに行く前に着替えていらっしゃいと」
「お母様が言ったの?」
「はい」
「わかったわ」
………パーティー?
……なんだか嫌な予感がする。
「ではショウ様はこちらで着替えてください」
「わかりました」
で、部屋に入るとここにきて着替えを手伝ってくれたメイドさんがいた。
「あ!ショウ様!」
「えーと、貴方は確か着替えを手伝ってくれた人ですよね」
これまた美人なメイドさんである。
頭に大き目のリボンをつけた赤っぽい髪の人だ(ただしネコ耳としっぽがついている)。
………メイド服より和服のほうが似合いそうな人である。
ここまで連れてきてくれたメイドさんと似ている気がする。
むこうはメイド服が似合いそうであるが。
「はい!覚えてもらっていて光栄です!えっと、では自己紹介しますね。私は、マリー・リュングベルと申します。好きに呼んでくださいね。それで私の仕事は主にショウ様の身の回りのお世話をします」
「えっと…マリーさん?」
「むー。好きに呼んでくださいといいましたけど敬称なんていらないです」
「ですが…」
「あと言葉遣いも普段のままでいてください」
「………」
「でないと私、泣いちゃいます」
「……じゃあ、俺からも一つ」
「なんですか?」
「様付けはやめてくれ」
「それは…」
「そうでないとマリーさんのお願いはきけません」
「………わかりました。では……『ショウさん』でいいですか?」
「ああ、それでいいよ。マリー」
「あは-。ショウさんに名前を呼ばれると照れますね」
まぶしい笑顔で照れている。
正直いってかわいい。
「ショウさん?どうかしましたか?」
「い、いや、なんでもない。それでマリーの主な仕事が俺のお世話ってどういうこと?」
「后様がここに住むのであれば誰かお世話する人がいるだろうとのことで私が選ばれたんです」
「なるほど」
「だから遠慮なんてしないでなんでも言ってくださいね」
「わかった」
「ではさくっと着替えてしまいましょう!」
「………」
「どうかしましたか?」
「なんで出ていかないのかな~と」
「??どうして出て行く必要が?」
「……俺が着替えたいからだけど」
「ショウさんが着替えるのに私が出て行ったら仕事が減るじゃないですか」
「………そう」
………神様、俺、何かしたかな……?
「さあ、早く着替えてしまいましょう!」
………マリーがワクワクしているようにみえるのは気のせいだと思いたい。
俺は観念して服を脱ぐ。
マリーはまじまじと俺の着替えを見ている。
……何この羞恥プレイ。
もしかして、前の時もみられてた?
………考えないようにしよう。
「マリー着替えは?」
「あ、はい。これです」
で、手渡されたのはタキシードのような感じの服。
世界が変わってもこういうのはあまり変わらないものなのだろか?
とりあえず急いでその服を着る。
「こんな感じだろうか?」
「はい!とてもお似合いですよ。(完璧に着こなしてますね~。せっかく色々とイタズラできると思ったのに)」
心なしかマリーが残念そうに見えるのはなぜだろう?
「じゃあ行きましょうか」
「わかった」
そして俺は、マリーの後をついていく。
少し歩いた先には、さすが城といった感じの扉があった。
「さ、こちらですよ~」
マリーは扉を開け、その先にあった光景は……
運命の針は何をせずとも進む。
たとえその運命がどんなものであったとしても。
やはり更新が遅いですね……
しかも今回はかなり短くなってしまった…
方向性を見失ったorz