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ある主人公の非日常  作者: 紅
11/17

9章、吸血

一日が終わらない………

ようやく部屋に着きました。

どんな公開処刑よこれ!!

何か部屋の中が変わってる……?

なんかベットが大きくなってる気がする?


「ベットが大きくなってる……」


本当に大きくなってました………

え?何?一緒に寝ろと?

いやいや…それはないでしょう?


「えっと……どうしたの?」

「あ……ちょっと考え事を…」


あまりのことに思考が止まってました。

しっかりしろ!俺!

まだ一緒のベットと決まったわけではない。

とりあえず、姫様をベットにおろす。


「ここでいい?」

「うん」

「で、どうしたらいい?」

「本当にいいの?」

「もちろんだ」

「えっと…じゃあ、寝転がって」

「わかった」


言うとうりに寝転がる。

すると、姫様が覆いかぶさるように抱きついてくる。


「ちょ、ちょっと!」

「どうかした?」

「な、なんでこうなってるの!?」

「え?だってこうしないと飲めないじゃない」


なに言ってるの?みたいな顔で言う。


「ど、どこから血を吸うつもりなの?」

「どこって…首?」


だから俺が押し倒されている形になってると。


「じゃあ、いただきます!」


首に噛み付く姫様。

チクっと首から痛みがする。

そして、痛みがした場所から、自分の中の何かが吸い出されていく感じがする。


「んく。んく。」


姫様はおいしそうに俺の血を飲んでいく。


(やっぱり人間の血っておいしいのかな?)


そんなことを思いながら、姫様の頭をなでる。

一瞬ぴくっとなったがなでられることを受け入れる。

だんだん自分の中の沢山あった何かがなくなっていく。


(姫様って意外と大食なのか?それとも、それだけ腹がへっていたか?)


だんだん、視界がまわってくる。


「………」


声を出そうとしても血を失いすぎたのか、力がでない。

しかも、頭も回らない。

そろそろ、やばい?

頭をなでていた手が止まる。

すると、姫様が不満に思ったのか、顔を見る。

そして気が付く。


「ショ、ショウ!?大丈夫!?」


あわてて血を吸うのをやめる。

言葉がでない。


「ぐすっ……ごめんなさい……」


姫様は泣き出す。

一言……一言でいいから……姫様に……俺は……君の……そんな顔は……みたくないから……


「だ…いじょ…うぶ…だよ…」


だから……笑顔をみせて……そんなに……泣かないで……

……………回復魔法みたいなの唱えたら回復するんじゃね?

回らない頭で考える。

………とりあえず唱えてみることにする。


(キュア!)


すると少し楽になった。


「うっ!」


起き上がれるぐらいには回復した。


「ごめんなさい…」

「大丈夫。平気だから。ね?だから泣かないで」


平気だよ、といいながら頭をなでる。


「ほん…とうに?」

「もちろん!だから泣かないで笑ってよ」

「ぐすっ……う…うん…」


ハンカチで顔を拭きながら言う。

………なんだか嫌な予感がする。

つい数時間前にも同じようなことがあったような。


「セリーヌ入るわよ?」


と、入ってくる王妃様。


「あら?あらあら…ごめんなさいねぇ」


部屋を出て行く王妃様。


「ちょ、ちょっと待ってください!」


また誤解がうまれた気がする。

『………この状況どう思う?』

すごく………デジャヴです………

今の状況は姫様が俺を押し倒しているように見えなくもない。


「お母様、何の用だったんだろう?」

「………わかんない………」


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