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魔王です。日本に転生しました。  作者: 朝はご飯派
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魔王、転生する。

今から俺の身の上話をしよう。某掲示板で言うならスペック的なやつだ。

俺は前世で魔王、ジェルフハイヌとして生きていた。


しかし、隣国の王は、俺が「魔王」というだけで勇者とかいう刺客を送りつけて俺を殺そうとするのだ。

いや俺なんもしてないぜ。マジで。


あっちが先に勇者送りつけて来て俺のこと殺そうとするもんだから返り討ちにしたら、

あいつら勝手にヒートアップしたのよ。マジウケる。それからもずううううっっと勇者を送りつけて来たのよ。ふざけんなマジで。

4ね!!!!



てな訳で俺、嫌気がさしたから転生しました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

結論、正直転生は微妙だった。

順を追って話そう。


俺(神谷 麗二)が14歳のときに母は他界。

それを追い父は自殺。


この世界での魔法の使い方はよくわからないから生き返らせられないし、生き返らせたとして俺の仕業とバレたら研究施設送りだろう。


幸いなことに父が俺に莫大な資産を残してくれていた。後から話を訊くと、父は投資家だったらしい。だからこんなに家が広いのか、納得だった。


親戚からは心配されたが、無事高校受験を突破し、現在に至る。


嬉しいことに、算術においては元の世界と全く同じだった。


役目を放棄し転生して逃げた俺でも、

一応は元魔王だ。

人一倍はできる。



・・・国語というのは難解だったが。


まぁ今日は高校の入学式。落ち着いて行こう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学積進大学附属高校

通称「積校」。


ここは東京にある大学附属の高校で、中高大一貫の所謂マンモス校だ。偏差値は70程。


魅力は運動部が強いのと、いい設備だ。

あと校則が緩い。

髪は染めて良いし、ピアスも良い、なんなら服装自由だ。

だから時々、ウ◯娘等、キャラクターのコスプレをした男が闊歩していることもあるらしい。

もう一度言う。男だ。


そんな説明口調で自分の現状を確認しながら学校に向かうため家を出る。


二階建てで白い壁には大きな縦長の長方形の窓、ドアは黒色で、家の入り口周辺は灰色のレンガ風のブロックと小さな木々に囲まれていて、


入り口隣の駐車スペースには誰も乗らない車が駐車されている。

ザ•豪邸といった感じだ。

車には詳しくないのでわからないが、いかにもといった感じの白い外車だ。


こんな家に俺一人で住んでいて良いのかとつくづく思う。

寂しいわけではない。うん。決して。


家から学校までの距離はさほど遠くない、徒歩で役15分程だ。また、学校の反対方向に5分ほど歩けば駅がある。


家の入り口からは直に駅が見える。

家を出て道路の右側を見ると、駅の方向から人がぞろぞろと積校の方へ歩いて行った。


結構遠くなので人混みの年齢は分かりずらいが、恐らく積校生だろう。制服がないってのは分かりずらいな。


人混みの一部がこちらに流れてくる。


こっちから行くより向こうの奴らと同じルートの方が近いと思うんだが。


あ、そうか、俺のことが好きなのか、キッスしてやろう。


と思ったが、


(男しかいねぇ...)


クッソ。冗談とはいえ、ちょっとがっかり。


こちらに近いそのうちの一人が話しかけてくる。

黒い眼鏡を掛けていて、170cm...いや、180cmはあるだろう。

髪は薄い金髪だ。傷んだような形跡はない。

地毛だろうか。

某バレーボール漫画で言う◯島くんだ。


「やぁ。君も積校生?よろしくね。俺、五十嵐 千秋。趣味はアニメ、ゲーム、バスケ。君は?」


なんだこいつは。全然◯島くんっぽくないぞ。


初対面でなんちゅうマシンガントークだ。全て言い切るのに5秒もかかってないんじゃなかろうか。


だが俺は高校進学にあたってコミュニケーションの修行をした...


滝に打たれ、坐禅を組み、瞑想...はしていないが、本屋で買った「賢い人のコミュニケーション術」を読み漁った。

そんな俺からすればこの程度お茶の子さいさいである。


「俺は神谷 麗二。趣味はアニメ、ゲーム、ネット!よろしく。」


そう。俺はOTAKUだ。日本に転生してからお金には困らなかったので、アニメやゲームを楽しみまくった。

いやはや、この世界は素晴らしいな。さっき転生が微妙と言ったのは撤回しよう。



「麗二くん、よろしくね。よかったら入学式、一緒にどうだい?偶然僕もぼっちなんだ。」


おい、僕“も”って言ったぞ。

俺はぼっちじゃ...いや...うん...俺はぼっちじゃない。孤高なんだ。


「ああ、一緒させてくれ。ところで、千秋は内部進学組か?」


内部進学なら彼にも属しているグループのようなものがあるだろう。

だとすれば彼と話していれば自然と友達ができるかもしれない。

しかしそんなにうまく行くだろうか...


「ほう...いきなり呼び捨てか...君...やるな...」


まずい。癪に触っただろうか。こういう時はすぐに謝るのが1番だ。本にそう書いてあった。


「あ、悪い...」


手のひらを縦に擦り合わせ謝罪の意を示す。

前世だったらこうも簡単に人には謝らなかっただろうな。


彼は「ははは」と笑い、言う。


「からかっただけだよ。ごめんごめん!」


...最初に友人になる相手を間違えたかもしれない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そうこうしているうちにに学校に着いた。

白く聳えた新しめの校舎は、

高校生活を送るに相応しい美しさだ。


桜の花びらがひらひらと舞うのを横目で見ながら校門を通り抜ける。


今から入学式だ。

入学式茶色い屋根と真っ白の壁を併せ持つ巨大な建物、体育館で行う。

また、近くには武道場もある。


校門を通り抜け、案内の教員に従いながら、体育館の目の前まで来たとき、千秋が口を開いた。

「こんなところで生活できるなんて夢みたいだね。まるでユートピアだ。昔の九籠のスラムにも勝るね。」


...九籠と比べるのは色々と違うのではないかとも思ったが、非常に興奮しているようなので、野暮なことを言うのはやめた。


体育館の中は想像の3倍は広かった。

これでもかというほどに大きいステージ。

床にはバスケットボールやバレーボールのラインが描かれている。


天井には巨大な丸型の電気が等間隔に並んでいた。


加えてたくさんのイスが並んでいた。

新一年生はここに座るようだ。

入り口から順に、A組、B組、C組...F組。

1クラス53人で、これは入試結果を基準とした学力順らしい。


俺はA組だ。

しかし油断は禁物。

入学後は定期テスト等の結果で、クラスが毎年1月最初の授業の日に変わるらしい。


何故新学年最初の授業の日がクラス替えの日でないかは謎だ。


などと考えながら自分の椅子に座り、入学式の開始を待っていた。


「んんぅ...あー...あー!...マイクテスト。マイクテスト。」


黒色の長い髪に、女子の割には高い身長。

我らが生徒会長の挨拶が始まるらしい。

この学校では、新入生の挨拶は生徒会長が行うらしい。


「皆様、初めまして。」


凛とした声が体育館に響く。


「私は、生徒会長の飴辰 螢です。先ずは皆さん、入学おめでとうございます。我が校はーーー」


えぇ...思ったよりなんか、ありふれた感じだな。正直、つまらん。


「今日からーーさんはーーーこの学ーーの生徒ですのでーーー」


だんだん脳が声を言葉として認識しなくなり始めてきた。

目にはどうやっても力が入らず視界が暗くなる。


あ、やばい、寝そう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ーーーてってば!れーいーじ!!!!」


千秋の大きな声に驚き、目を覚ます。

周りの生徒は体育館からゾロゾロと出ていき、自分たちの教室へ向かっている。


「ん、あぁ、ありがとう。」


そう言いつつ、椅子にかかった体を起こし、立ち上がる。


「さ、行くよ。僕たちA組の教室は、あの階段を登ってすぐ右の教室だね。」


残念なことにこいつもA組だ。

こんな癖のあるやつと付き合うのは相当骨が折れそうだ。


体育館から出て、真っ直ぐ歩き、階段を登る。踊り場を曲がり、また階段を登る。


こんな短調な動作さえ、新しい学校というのでは、新鮮に感じる。


「さ、ここだよ。」


お前は案内人か。とツッコみたくなったが、堪えた。

もしやこれがこいつの天職なのではないだろうか。


ガララと教室の扉を開け、足を踏み出し、顔を覗かせる。


しかし、目の前には想定外の光景が広がっていた。

完全処女作です。暖かい目で読んでくれると嬉しいです!!あとレビューや感想、ブックマーク、お願いします!!励みになります!!!!!

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