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プロローグ

とても短いです。

　誰もいないクラヴリー公爵邸に閉じ込められていたヒロインを王太子が救出。

　再会した二人はお互いの無事を確認するように抱き合うと、王太子はヒロインを庇うように抱きしめながら地面にへたりこむ男に剣先を向けた。

「ルディウス・フォン・クラヴリー。王太子殺害未遂容疑とセルトン伯爵令嬢誘拐・監禁で処罰する」

　ルディウスは不敵な笑みを浮かべて王太子を見上げた。

「せっかく邪魔な奴等を排除して二人きりになれたのに…」

　王太子が視線を向けた先には薄暗い屋敷の片隅にゴミ山のように積まれた死体。

　そこには使用人達に混ざってルディウスの両親と姉の無残な姿もあった。

「なぜ家族まで殺す必要があったんだ？」

「なぜ？あいつらは俺にとって害虫でしかないからだ。害虫は駆除するべきだろ」

「ルディウス様…」

　憐れみと恐怖が入り混じったヒロインの眼差しに耐えきれなくなったルディウスは自分の首に剣を突き刺し自害した。

　こうしてルディウスの暴挙に終わりを告げ、ヒロインと王太子は幸せに暮らしましたとさ。

　めでたし、めでたし…。

　なわけないでしょ！！

　ヒロインと王太子はめでたしでいいよ！

　でもあの死体の山の一部になった私はちっともめでたくない！

　こうなったら原作者の私が人生を懸けて原作改変してやろうじゃないの！！

読んで頂きありがとうございます。