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番外編  ⓺


その知らせを私たちは、明日菜先輩の部屋でまっていた。


明日菜先輩のベットやフローリングに毛布で、わたしたちいつもの三人はいた。


ひとり暮らしの金髪の子も最近は、ずっといた。


黒髪の子ももちろんいる。


「どうなってるのかな」


黒髪の子がベットの上で膝をかかえてつぶやいた。


「ーうん」


めずらしく金髪の子は否定しなかった。


ただ、うなずいた。


ただ、私たちには神様にいのるしかない。


ー自分のなかにある神様に。


・・・世界共通で神様なのかな?


神様、仏様、あとひとつなんかいうよね?


ー雷様?


絶対に、違う。


田舎のおばあちゃんが、よく手をあわせていて、けっこう、おばあちゃんは、


ー便秘でも、トイレで、お腹痛いと、いっていた。


ああいう、使い方であってるのかなあ。


本人は、たしかに危機的状況だし?


私の知り合いは、つい最近、便秘でコロナ検査うけた。


ー便秘でもコロナ検査する時代。


・・・へんな時代。


だって、便秘でインフルエンザの検査しないよね?


・・・へんな時代。


ちなみにその子は、いろいろな病院で、毎月1-2回は必ずコロナ検査受けから、


ーコロナかからない。


もうそう信じこんでる。


病気は気から?


ウィルスも?


ーそんなわけなけど、ウイルスほいほいのあの子がそう言うと妙に説得力がある。


ちなみに私は、というか、まわりで定期健診みたいにコロナ検査してる子はみたことがない。


私も一回だけ地方公演に行くときにPCRはうけたけれど。


唾液が、なかなかたまらなくて、大変だった。


鼻も唾液もどっちもいやだなあ。


嫌がるその子に医師が、


「コロナだったらお父さんやお母さんが仕事に10日いけないから、10年はお年玉がなくなるよ?それでいいならいいよ」


って言ったらしい。


ーすごいな。


言葉の魔法だなあ


というか、現金だな。


ー便秘だけど。


便秘でコロナ検査。


・・・へんな時代。


まあ、便秘は腸閉塞もありえるから、決して小さな子供では、軽視できないけど。


知り合いのお姉ちゃんの子供なんて、新生児で校門狭窄症っていわれて、お医者さんが指をいれて直していた。


当時は、げっ?!って思うくらい泣いて血も少しでたらしいけど、すぐに快便なったらしい。


大学病院のある程度年齢に達した先生たちは、ほんとにスペシャルだ。


ーこれくらいで紹介所かあ。


って、嘆かれてもこまる。お姉ちゃんは、そう思ったらしい。


だって、紹介状をかかれたから、来たんだし。


ー先生のレベルって、大事だなあ。


だからセカンドオピニオンって大事だなあ。


なんならサードオピニオン?


ずーっと探し続けるひともいるんだろうなあ。


幸いにも私は元気いっばいだから、お医者様とは無縁だけど。


明日菜先輩のお医者様は、あの人で間違いない。


明日菜先輩だけのお医者様で、薬剤師で、看護師さん。


・・・ちいさな、むかしの町医者みたいだなあ。


おばあちゃんが、たまにかかっていた、小さな片田舎のお医者様は、内科から眼科すべてをみていた。


専門分野は、きいたことがない。


聴いたところで、おばあちゃんの田舎には病院がない。


同じ日本でも、こんなに違いがあるんだね?


コロナが終わったら、いろいろなところを旅してみたい。


「コンサートしたいなあ」」


私はつい、ぽろっと口にしていた。


「どうして明日菜先輩の話題からとんだの?」


金髪の子のあきれていうけど、


「うん。またファンの人たちと会いたいね」


黒髪の子はにこって笑った。


私たちは7人のダンスボーカルグループ。


名前をきけば、ああ、きいたことがある。それくらいの知名度。


いつかは、明日菜先輩のように、みんなに名前を知ってもらいたい。


いつだって、明日菜先輩は、私たちの目標で輝く宵の明星Venus。


一番星は、ずーっと明日菜先輩だよ?


「このマグカップ、一個もらいたいなあ」


私は、目の前にある例のマグカップの山をみる。


「そうだよね?もらおうか?」


金髪の子が吟味はじめた。


「えっ?ほんきで?」


「だって、こんな量持って行かないでしょ?それに、もうあの人がいつも一緒にいるなら、明日菜先輩には、必要ないよ」


むしろ必要なのは、私だって金髪の子は、さびしそうに、でも、嬉しそうに笑う。


「ただ、明日菜先輩がだいじょうぶだったらだけど」


「そうだね」


って頷きながら、黒髪の子もマグカップを選び出す。


だから、私もマグカップをてにとる。


「・・・これは、ダメかあ」


シンプルなアルファベット表記のマグカップは、さすがにダメだよね。


そう思っていたら、


「べつにいいよ?」


って、スピーカー越しのやさしい声がした。


「私には、もう必要ないから。みんなが大切にしてくれるなら、いいよ?」


そういって、寮母さんのスマホの中で明日菜先輩が笑った。


ー明日菜先輩が、


わらってる。


私たち三人は顔を見合わせると、


ーうん。


1度おおきくうなずいて、


「おかえりなさい!明日菜先輩」


そう笑った。


ーおかえりなさい。


こころから、そう言ったら、


「ただいま」


先輩がやさしくわらってくれた。


明日菜先輩がわらって、くれた。


ああ。


明日菜先輩がいる。


笑ってる。


私たちが、自分たちの踊りをつい踊っちゃったのは、しかたない。


だって、


うれしくてたまらない!


やったね!


明日菜先輩!


おかえりなさい!


そう心から、思って―。


・・・神様、仏様ーあといっこなんだろう。


そうも思う。


まあ、こんなうれしい奇跡なら、


ーなんでもいいや!


ありがとう。





ブックマーク いいね ☆評価ありがとうございます。


少しでも続きが読みたいと思われたら評価お願いします。


予想外の方に読んで頂き、ふたりのハッピーエンドをこちらにもってくるか悩み中です。


ほんとうに読んで頂きありがとうございます。


あと誤字脱字ほんとうにすいません。ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] まだこれは読んでませんが、エスパーかと言われると、これが思い浮かぶと言うことは、茶々アルト信者になってしまったということでしょうか(笑)? >「超能力テストはうけないよ?」 高速の話で、…
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