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最終話 彼氏と彼女の、オールリセット。


ーオールリセット。


とても有効だけど、親としては、親としてのプライどがズタズタになる最終手段。


その子供をとりまくすべての環境を、オールリセットして、保護する。


いちど、すべての環境から、子供たちを保護する。


親、をふくめるすべての情報から、子供たちをまもって、


専門の病院のスタッフがその子供に、大人を信じられなくなった子供たちに、ゲームやメディアに夢中になった子たちに、


親もメディアも、ゲームもすべて、強引に切り放ち、遮断して、


ーもういちど、大人を信じさせるための医療処置。


本当に、実際におこなわれる手段。


その病院では、まずゆっくり休ませて、運動をたくさんして、スマホやゲームや、親やその学校からもきりはなして、


専門の医療スタッフが傷ついたこどもたちにそっとよりそっていく、プログラム。


親ですら、遮断される。


親は、もう、その子の生活の環境因子だから。


すべての環境を遮断して、いちから、子どもたちに大人は信じられるって力、をつけさせる。


院内学級に転校する。


転校届も実際にかくけれど、登校は無理やりさせない。


ただ、休ませて、身体をうごかして、そっとよりそう。


そして、


ー言えない想いを、口にだしていく訓練をする。


いつも、もう、


ー言っても、どうせムダだって、


いえない想いを、かかえこんでしまった子供たちに、


ーいって、いいんだよ?


いわないと、わからないよ?


そう繰り返し、おしえていく。


ほんとうに、実際に行われる治療。


だけど、子供によっては、繰り返しなんども行われる治療。


低年齢だからこそ、1回ですごい効き目があったけれど。


ー低年齢だから、傷はあさかった。


回復のペースもはやかった。


ただ、運がよかった。


すべての偶然が、幸運がかさなった。


ーほんとうに、運がよかった。


そう心からおもってる。


もしも、コロナがなかったら、たぶん、もっと治療がむずかしくなっていた。


そう、おもってる。


一度はすくったけれど、その子はまた言えない想いを、ずっとがまんして、冬の屋上でとめたつもりだったのに、18歳の明日菜でほころびがではじめたように。


・・・あのとき、コロナでよかった。


そうじゃなければ、もっと治療は、おくれていた。


ほんとうに、ぎりぎり、まにあった。


ーコロナのおかげで。


コロナによって、間違いなく、どん底におとされたのに、


ーコロナのおかげで。


治療ができた。


ーコロナのおかげで。


間に合った。


ーコロナのおかげで。


ものすごい目に、あったのに。


ーコロナのおかげで。


たくさんの道が、ひらけた。


ーコロナのおかげで。


・・・もはや、感情は、複雑だ。


プラスにもマイナスにもなるけれど。


ーもう、結果的に、


子どもたちが、明日菜が、わらってれば、


どうでもいい。


ほんとに、そうおもう、


ほんとうは、俺からも遮断するんだろうけれど、


明日菜は、有名人すぎて、日本じゃむりだし。


幸いに、明日菜が「神城明日菜」に、こだわってくれていたから、


なら、


ー村上明日菜。


そう名乗らせればいい。


俺からじゃなく、「神城明日菜」から解放してやる。


ーでたらめな、でも、


結果オーライな、


おとぎ話。


病院じゃないけれど、メディアからは、解放できる。


日本なんて、ちっぽけな国に、固執してない。


ってか、しらないだろうから。


明日菜の存在をしらないし、英語が通じないなら、明日菜には、なにを話しているかわからない。


それに、


「神城明日菜」じゃなくなる。


「村上明日菜」になる。


明日菜を形成している環境の排除だ。


現実には、名前はそのままだけど。


それじゃあ、明日菜には意味がない。


だって、明日菜自身がつくりあげた。


「神城明日菜」を。


さいわい「明日菜」は無事だった。


そんな、話だ。


俺はわらった。


「返事は?」


明日菜は、びっくりして、紙をみつめている。


・・・いろいろ手続きあるから、きょう、できれば、返事欲しいんだけどなあ。


もっとプロポーズって、緊張するのかっておもってたけど、


・・・俺って、すげーな。


明日菜に忘れられた時の方が、ドキドキして、あんなにうれしかったのに。


ーいま、本人を目の前にしたら、


絶対に断られないって、へんな自信がある。


ースマホの画面越しじゃなく、直接、会うからこそ、わかることがある


けど・・・。


ーあれ?


マジで明日菜の反応がない。


さすがに、ちょっと、まて?


「あれ?」


「どれ?」


「それ?」


「これ?」


「ーああ、まあ」


「どうしてほしい?」


明日菜が、じっと、俺をみあげてくる。


そのきれいで、やさしく、ちょっと涙で潤んだひさしぶりの瞳に、同じように、なきそうな俺の顔が映っている。


ー俺が映ってる。


ほかのだれでもない俺が、映っている。


最初から、俺だけしか、映っていない。


どんなに、他のやつとキスやラブシーンを演じてきたって、


「明日菜」がみていてくれたのは、俺だけだ。


他の誰でもない、俺だけが、明日菜の特別だ。


他の奴には、ぜったいに、負けない。


俺だけが、特別なんだ。


そう腑におちた。


そう、ちゃんと、わかった。


だから、


もう、いいや。


もう、俺も明日菜も前にすすもう。


俺たちのことを、明日菜のことを誰もしらない場所でゆっくり、のんびりしょう?


ただ、笑おう?


いつか、コロナが脅威だったって。


きっと、むかしの結核の話みたいになる日がくるよ?


だって、予防接種しってる?


赤ちゃんで、2ヶ月くらいから、すごいスピードではじまるよ?


ぜんぶ、昔に流行っていたから、いまやってる。


そういう時代だってあったんだ。


なら、いつかは、どっかの、えらい奴が、天才が発見してくれる。


だって、世界中だぞ?


すごくない?


世界中の大天才たちが、やっきになってるぞ?


案外、子供の方が、あっさり発見したりして。


笑えるほど、時に現実は、作話をこえるんだ。


でも、それは、絶対に幸せな話の方が記憶にのこるんだ。


だって、


ーつらい記憶は、むりしないと、維持できない。


もう、ほとんど忘れてるよ?


だから、消したら、二度とかけない。


記憶には、もう消したんだ。


それで、いいんだ。


未来が、あかるいなら。


やさしく、みちびいてくれるなら。


ー俺が守ったっていえるだろ?


こんな時代に、コロナにばかみたいにおいつめられて、


でも、


けっきょくは、


ーコロナにすくわれた。


そんなでたらめな母娘もいる。


ーでたらめな話だけど、実話だ。


ほんと、すげーな。


だから、コロナに未来がみえれば、その未来とともに永遠にとじる物語。


そう願っている。


ーから、さ。


「うん。春馬くん。これからもよろしくね?」


「もちろん」


「あっ、ちゃんと手を洗ってからだよ」


「・・・そこはぶれないな」


「あのお魚だよ?」


「幻の高級魚だぞ?」


「キープサイズはでしょ?」


「・・・そうだけど」


ぶっちゃけ、ちいさいのは、いくらでも釣れる。


あほみたいにつれる。


じっさい、あいつらは、餌をおとせば、瞬時にかかる。


ーめっちゃ簡単につれる。


小さいのなら。


でっかいのは滅多につれないから、幻なんだ。


ー明日菜みたいに。


絶対におこられるな。


そう思っていたら、


「ダメだよ?それは、絶対にいわないでよ?」


って、明日菜がすこし嫌そうな顔になったから、俺はびっくりした。


「超能力テストはうけないよ?」


って、明日菜は呆れた顔で、でも、やさしくわらって、


「わかるよ?だってー」


春馬くんは、春馬くんだし。


「ずーっと、春馬くんだけを、私もみてきたんだから」


そういうと、


背伸びをして俺にキスしてくれた。


いつかの、映画のラストシーンの主人公に、


ー俺はなった。


               終わり。



※極端なメディア、ゲームカットは、ふつうならやめてください。


あくまで、うちは、もうその方法でしか、無理だったからで、


しかも、専門の病院でやって頂いてます。


ゲームやメディアは、子供達の生活にしっかり根付いてます。


公園みてみてください。


ふつうに、ゲームやスマホあります。


子供達には、子供達の世界があります。


ある程度の規制はかけれますが、もう、子供達で流行りだしたら、規制は、ムリだと思ってます。


まあ、そういう親御様は、しっかり、予防されてます。


子供達も、そのゲームなどはやっちゃダメって理解されてます。


ちなみに、うちは低学年ですが、近所の公園は、子供達だけで遊びます。


読んで頂きありがとうございました。


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