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ルービックキューブな彼女9


「…若いってさ、おじさんには若い頃なかったの?いつから、若いんだろうね?」


「まって、僕は決してロリではないぞ?」


まず誤解されないような、予防線を張っておきやがら(この発想がもうおっさんだよな?)って悔やみつつ、


ーおっさんではないから、セーフか?


そもそも僕はまだ20代だ。


まあ見た目はわかんないけど。


ファッションや流行に疎い僕は、年齢より老けてる可能性はある。


そしてルービックキューブを回す指をとめて考えた。


「どうだろう?たとえば僕が100歳だとする。80歳はまだまだ若いよね?90歳だって若い」


…こんな長生きする予定じゃなかった。


そいいつも苦笑いしていた大往生だった身内を思い出し、介護系にすすんだ友人が、


ー100歳の壁って言う。


100歳をくぎりに人はまたどんどん無邪気に、ゆったりと有意義な歳の重ね方をする。


ほんとうに、すげーんだぜ?


って友人は誇らしげに笑ってた。


僕よりもクソ忙しいくせに、給料なんか安いくせに、


ーこれじゃあ、結婚なんかできない。


って給料明細片手に笑って、けど、かわいい彼女はいる。


…いても最終的に結婚できない給料なんだろけど。


転職する気はないらしいが、僕は頼られたらアドバイスしたい気もする。


あんまりプラスにはならないだろうって思う。ボランティア精神で金は稼げないだろ?


が、本音だ。


テレビでちらほら見かける目の前の少女のほうがよっぽど稼いでそうだ。


「友人曰く、若い基準は自分の年齢より下かな?」


少なくとも同世代より、年上にも、若いとは使わない気がする。


若々しいはべつにして。


そう伝えると、彼女はまた笑う。


皮肉げに笑うその顔が、またなんだろ?


やっぱり野良猫にみえた。

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