ルービックキューブな彼女2
ー何度も言う。というか、僕の性分として、パニックになりたくない。焦ってる自分を感じたら、まず、深呼吸をしながら、できるだけ脳に酸素を送りたい。
ちなみにこれを言うと、まわりは、
ー心を落ち着かせたいの間違いじゃないか?
と助言くれるが、当たり前にNoじゃね?って毎回、ダジャレをそれこそ思ってしまう。
だって、みんな思うのは、脳だって思ってるよな?思考は脳だと。
心って心臓だよな?
まあ、ドキッてなる不整脈は循環器か?だけど。
働く細胞って映画の存在を最近知って、おもしろ内容だな?だけど。
僕が見ることはないかなあ。映像はむかしからめんどくさい。
視覚優位な僕には苦痛になる時が多い。
あっ、そうか、その手があるか?
僕はさりげなく?
ルービックキューブを片手にイヤホンをつける。
音楽は流れないけど、耳栓的な?きみには興味ないですよ?
…興味ないんだ。
繰り返す、、、。
なんか知らないけど、なぜに目の前の子は僕を見つめるんだろう?
もしかして、
「…きみ、迷子なの?」
あとから考えると、この発言が僕と彼女の人生を、スクランブル交差点で、事故らせた、らしい。
僕の問いかけに、その子は、視線をそらした。
いや、ちょっとまて?
「もしかして、ほんとうに迷子…」
っていうか、若いよな?
迷子っていうか、
「…家出?」
相変わらずふだんは無口なくせに、こういう時だけなんか口に出る。
もし家出って言われたら、どうするんだよ?
目の前の子は若いよな?身長や骨格的に10代か?まあ、僕だって目の前の子くらいの身長の時は、たぶん反抗期だったような?
僕には家出するほど、家族に不満があったわけじゃないし?
「どちらにしろキミ、未成年だよな?警察…」
「もう成人してるし、社会人してる」
警戒心丸出しの野良猫みたいな声を想像していたら、そっけない口調だけど、
「あれ?もしかして、キミ、女の子なの⁈」
って、また、言わなきゃいいセリフが口からでていた。




