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春もうらかな、桜のつぼみもみえる今日の日にー。
…桜っていまそうなのか?
って、陽菜の晴れ舞台に、門出?の日に思う俺ってどうよ?
となりに座ってる明日菜の視線でかろうじてぼやかなかったし、まあ、市長や町長とか?からの祝辞ってこんなのだろうし。
チャットなんたらが増えたら、さらにますます似たようなのばかりだろうけど。
コロナを経て変わったといえば、めちゃくちゃ短いんだよなあ。
サクサク効率よく進む卒業式に、すげ〜って思う。
あとは普段は私服だから、子供達がスーツやブレザーやらの姿に、ヘェーってなる。
さすがに男の子たちは、身長や体格的に小学生だけど、女の子たちはふつうに中高生の学生服を着てるみたいだ。
かくゆううちの長女、陽菜だって似たような感じだけど。
陽菜の名前が呼ばれたとくには、感慨もあったけど、めちゃくちゃ効率よいしかも見栄えする卒業証書授与の流れ作業にびっくり的な?
よく考えてるなあ?
デジカメについていけないから、相変わらずスマホで動画とる俺だ。
明日菜は泣くかもと、ハンカチ用意していたけど、サクサク進むから、そんな暇もなかったみたいだ。
式が終わりクラスの話もさらっとおわり、校庭でさらっとまたバラバラになりながら、担任の先生や、友人や、卒業式の表示のとなりで写真撮る列にならぶ。
並んでるし、
「ほら、陽菜とるぞ?」
って陽菜だけを一度とると、慌て陽菜が明日菜の腕をとり、
なぜか明日菜まで並んで写真をとるけど、
ー?
ってなった。
「そりゃ、パパはそうだろうけど…」
「まあ、それがパパだからね?」
って、なぜか陽菜を慰めてる明日菜がいる。ちなみにうちの兄貴や明日菜の兄姉も初姪っ子の陽菜にはデレデレなので、兄貴に写真をおくると、
ーなんでお前は家族でとる発想がないんだ?
って相変わらず怒られる俺だ。
だって陽菜の卒儀式だろ?
主役は陽菜じゃね?
って首をかしげた。むかし、似たようなことで明日菜にも怒られたような?
「あっ、魚か」
「お義兄さんから?…春馬くん、釣った魚の写真しか送らないもんね、自撮りってしってる?」
「…俺だって歯磨きや洗顔時に鏡みるぞ?」
毎日、みる自分の顔をなんで撮るんだよ?
「パパって、真菜やママがいなかったら、遺影に困る人だよね…」
「どういう意味だよ?」
娘の門出になぜ俺の葬式写真だ?
ーおなじ、そ、がつく式なのに違いすぎね?
「いちおうご卒業と、お葬式だから、ごとお、じゃない?」
「相変わらずエスパーかよ?明日菜」
やっぱり超能力試験?
「受けないからね?というか、もう私が家族といた時間より、春馬くんと家族になった時間がながいんだよ?まあ、私ははやくに親元を離れたけど」
明日菜は13歳で東京に行ったもんな。
チラッと俺が持ってきていた陽菜用のスマホ片手に駆け出していく陽菜をみながら、
「…ほんとうに、あっという間だったな。ありがとうな?明日菜」
海外にいて、あまり子育て参加してない俺だ。
友人や教師と写真をとる陽菜をみながら、俺は明日菜をみる。
明日菜はまぶしげに陽菜を見ながら笑う。
「陽菜が頑張ったんだよ?なんとなくいまね?春馬くんがお魚のサイズの写真しか撮らなかった理由もわかるんだ」
って上目づかいに俺を見つめてくる。明日菜も俺ももう30代後半だ。
やっぱり明日菜は可愛いし綺麗だけど、目の前にある若々しさとは違う落ち着きがあるけど。
「こんどは真菜の番だよね?」
陽菜の卒儀を祝うため、村上家と神城家の両親はいま真菜と一緒にお留守番してくれている。
久しぶりにあったもう高齢者の祖父母に、やたら元気な真菜が脳裏にうかぶ。
ひとりで4人を振り回してるだろう。
そんな真菜も数年先に卒業かあ、、、。
「ほんとうに、あっという間だな」
…たしかに、中学の入学式には、俺も一緒にうつるかな?
って思った。




