SS
明日菜とついくだらない、
ーあいうえおをしたあと。
おかげで目が覚めたら、脱衣所をでると美味しそうな光景に、5感が刺激された。
ー明日菜って、俺の奥さんだよな?
ってつい、どこかしらけた感情までわいてくる。それくらいうまそうな匂いと、キレイな彩りで鮮やかに盛り付けた食卓。
いちばん、ご当地インスタントラーメンの似合う食卓が、まるでテレビやスマホ用の、
ー映え?
みたいだ。
ちなみに当たり前だが、ばえをハエとしばらく間違えていた。
南風が群がりそうなくらいきれいでうまい写真?
…意味的にはあってる?って柴原にきいたら、なぜかイケメン先輩とイケカマ係と2人がかりで,俺と柴原まで説明受けたけど。
宣伝素材を間違いそうだから?みたいな?
いまだに柴原とはこの話題を避けてるけど。
ーようは写真だよな?でお互いとまっている。
ちなみに身近なJKの萌ちゃんも俺の前では口にしない。明日菜もだけど、このふたりは俺のハエ発言を封じて先手いってるだけだろうけど。
ふと、明日菜が事前におれのいにいる光景に、ただ、なんか、なんだろ?つい背中をかべにつけて,寄りかかってみていた、
ほんとうは手伝った方がいいんだろけどさ。
ー明日菜がいる。
記憶の中より、ずっと大人になってるけど。手足だって華奢なままだけど、すんなりしなやかで、大人のまなざしで、
しぐさで、けど、声は優しいままで、最近、すこしだみせてくれるようになった甘えた瞳で、
「春馬くん」
そう俺を呼ぶから、かっこわるいけど、俺はズルズルとかべに背をつけたまましゃがみ込んでいた。
なんか仕事でのへました俺を変わらずに迎えてくれる明日菜に、
何度も明日菜がモデルしてる雑誌やドラマとかのワンシーンで、いま目の前にいないんじゃないか?なんてバカなことを考えてしまっけど。
「どうしたの?大丈夫?」
床に膝を同じようについて、同じ目線で明日菜の黒い瞳が俺をのぞきこんでる。
ただ明日菜の黒い瞳に、情け無い俺の瞳がうつるけど。
俺はそのまま明日菜の背中に腕を回して抱きしめた。
突然の俺の行動に明日菜は驚いたようだけど、そのまま身体の力を抜いてゆっくり俺の頭を撫でてくれる。
「真央がイケメンせんぱ…」
い、までは言わせなかった。口の中に言葉を吸い込む。怖がらせないように、だけど。
そっと唇を離したら、明日菜が戸惑った顔をしてる。
なにか口をひらこうとした、その唇をまたふさぐ。次は,もっとふかいものになった。
さすがに明日菜の顔もあかくなり、俺を少し睨んでくるけど。
「きゃあ」
「このままじゃ、おそうから、こっち向きで抱っこな?」
「襲うって、この体勢もちょっと」
「ただの抱っこだよ」
明日菜を反転させて背中を俺の前にする。同じ向きで、明日菜が俺の太ももに座ってる。
そのまま、浴室に残っていた香りがする髪のにおいをかぐ。
「ちょ、ちょっと春馬くん⁈」
「スマホ越しじゃ、匂いとかわからないからさ?」
「そうだけど、いまさら⁈」
「なにがいまさら?」
「えっ、それは…」
とたんに耳まで一瞬で赤くなる。際どいセリフもなんでもこなすくせに…。
カメラがない明日菜は、ほんとうに…。
この姿は俺だけだ。明日菜は俺だけの宝物だ。し、
「腹減ったな」
俺の腹時計は正確らしい。明日菜が半分あきれて、けどほっとしたように俺の腕から逃げて、立ち上がると、
「自信作だよ?味わってね?」
って座り込んだままの俺の手を引いてくれる。
その勢いにつられたふりして、もう一度明日菜をだきしめると、
「デザートはおかわりでいい?」
チラッとデザートもあるのを確認しながら、明日菜をみつめると、とたんに耳まで赤くなりながら、ためらいがちに、俯いたけど、上目遣いに小さくうなずいた。
うちの奥さんめちゃくちゃ可愛すぎない⁈