SS 新婚
(新婚期)
俺は風呂上がりの明日菜を腕にすっぽり背後からだきしめた。
いままでいくらでも、明日菜が恋愛映画やドラマで演じていたシーンのくせに、明日菜が腕の中で一瞬だけ、身を固くする。
ー俺にまでかたくしないで?
って耳に甘噛みしてると、その耳が一気に赤みをおびる。
血色いいのは、その白い肌のせいかなあ?
すっかり寝巻きが俺のバーカと化した明日菜が少し緊張した黒い瞳を潤ませて、俺を見るけど、無視して口付ける。
明日菜はこんな行為自体に慣れてないし、生真面目だし,なんとなく背徳感があるっぽいけど、いまの俺は完全にやりたいだけの猿だけど、とりあえず、明日菜の顎に指で上を向かせる。
まだ戸惑い気味の明日菜にくちづける。明日菜はぎこちなくその大きな黒い瞳を閉じて、俺のキスを受け入れる。
やわらかな唇を優しく触れ合わせながら、明日菜をべっに座り、背後かすっぽりだきしめる。
優しい明日菜の、二十歳をとっくにこえてるのに、馬鹿みたいに俺には清涼感をくれるうなじに顔をうめる。
ただいまは、明日菜の存在に触れていたかった。
ヤレるヤレないは、どうでもよくは、ないが、まあ?
俺の手がお腹から動かないから、明日菜が戸惑うのが少しおかしくて、つい,笑う。
ただ愛しい。
また耳たぶをうしろから、軽く噛んでイタズラする?
明日菜が小さな悲鳴をあげるから、めちゃくちゃかわいい。
俺の奥さん、最高じゃん?
って、散々甘え倒していたら、シチュエーションにはなれてる明日菜が、我をとりもどし、
けどシチュエーションなれしてても、相手はど素人のおれだ。
その後はご想像にお任せで、
…イケカマ係長のモンガーは脱走したらしい。
モンガーみたいに朝またペットに明日菜がいてくれたら、いいなあ。
って明日菜にキスしながら思った。