表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

607/652

SS 春馬 母のいま


ただ見てくれたらいい。


夫が連れてきた子は、ただのメモ帳に殴り書きされた生年月日、と、5種ワクチンの日付けだけ。


夫はそれが正しいのか、わからないよなあ。


証明する方法なんかない。


そう苦笑していた。


ただ苦笑していた。


大切なことは、そこじゃない。うちの子だ、そうだよなあ?


って笑う。


時々、やっぱり夫はあの義父の子で、やっぱり春馬の父親だと思うことがある。


ラッシーとは違う小さな身体と、ふわふわの毛並みをなでながら、


ーそう、撫でれるようになった。


あまえるよう頭を撫でて?とけどふとした物音にすぐに小さなキャリーケースに逃げ込んでしまう。


トイレは教えてない。メモの年齢より、ふけてるのは、出産回数か?


次男の春馬は虫取りがすきで、よくカブトムシをとりに行ったけど、クワガタより難しいから捕まえた場所にがしていた。


飼育ケースから逃げてしんでる姿に私が悲鳴あげたから、それから虫取りには行かない子になったような気もするけど。


カブトムシを長生きさせる条件に、交尾をさせなと、あとから義父からきいたけど。


オスは次から次に寄ってくるけど、メスには迷惑らしい。


不思議なカブトムシってなりながら、私は、柔らかなココアの毛をなでる。


ココアは孫の真菜の命名だけど、しろいのに?


っておもいながら、


ーばあば、すきだよね?


って屈託なく笑う。


から、つくづく。


ー明日菜ちゃん似でよかったわ。


ココアはのんびり慣れてくれてる。ただのんびりだけが夫とわたしの希望だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ