597/652
SS 野良猫の彼女
僕の彼女は、
ー野良猫だ。
そう友人や会社の同僚たちにいうと、お前に彼女なんかできないだろ?
って油混じりのにおいが染みついた指先に笑わられる。
僕は機械いじりがすきで、よくガラクタを集めては、とばしたり、はしらせたり、していた。
雨の河川敷。普通にガラクタ探しに行ったら、野良の子猫をみつけるように、電気屋のジャンク品で溢れたネオン街から、目当ての道に近道しようとしら、女の子がからまれていた。
腕には自信なかったから、アプリのパトカーサイレンと叫び声だした。
よくある、お巡りさんこっち!
だけど、絡んでる奴らはすぐ逃げたけど、彼女は僕にお礼がわりにブラック缶コーヒーをくれた。
梅雨入り間近のジメジメしたじきに。ふしぎとあうようになり、なんとなく気になってた。
ーもしかしてお礼言わなかったから?
彼女の耳があかくなり、ますます彼女はそっけなくなった。
彼女から彼女が有名なアイドルダンスグループだときいたのは、プロポーズのとき。
どんかんさに、彼女がはじめて笑ってた。